レインボーリボンメールマガジン第30号「「かわいそうな子ども」にご飯を食べさせる?」

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■■  レインボーリボン メールマガジン 第30号
■■   「かわいそうな子ども」にご飯を食べさせる?

2016/9/30
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4月から月末の土曜日、月1回の開催を始めた「パルこども食堂」。

今月24日の第6回で、ようやく半年の実績を作ることができました。

たったの6回ですが、私たちボランティアにとっては1回1回がものすごいドラマです。

3回を過ぎたあたりから、中学生がビックリするようなパフォーマンスでみんなを楽しませてくれたり、人一倍の恥ずかしがり屋さんが少しずつ自己表現をするようになったり、料理に文句を言う素振りを見せながら実は大人たちの心をほぐす雰囲気作りに気を遣ってくれていたり、本当に、中学生の存在に私たち大人が癒されています。

中学生にボランティアで勉強を教えている大学生の皆さんは第1回からこの「居場所」を支える頼もしいパートナーですが、今回初めて終了後の反省会にも残ってくれて、「○○くんはパルこども食堂がきっかけで△△くんと話しができるようになったんですよ」と、私たちには見えない子どもの変化を教えてくれました。

パルこども食堂のボランティアは老若男女、多様ですが、特に70代の女性ボランティアが数人、大活躍されていて、反省会では「今日も楽しかった!また来月も楽しみです」と笑顔を見せてくださいます。

こども食堂の1食オーナーになってくださった寄付者に向けて「通信」第1号をアップしました。匿名で寄付してくださった方にはネットでしかお知らせできませんので、どうぞご覧ください。

http://rainbow-ribbon-net.org/wp/wp-content/uploads/2016/08/20160929-NO1.pdf

パルこども食堂は無料学習塾に来ている中学生限定の、ある程度「クローズ」の空間です。

毎回来てくれる子は、その点に安心感を持っているかもしれません。逆に1度も来ない子はその点に反発があるのかもしれません。

こども食堂は「子どもの貧困」という社会問題に何とか解決のための風穴を開けたいと願う大人たちの社会運動、ムーブメントです。でも、その対象とされた子どもは、「貧困」とか、「かわいそうな子」というレッテルは、絶対に拒否するでしょう。

レインボーリボンは11月12日(土)、もう1つのこども食堂「あおと子ども食堂」をオープンすることに決めました。

今度は青砥駅から徒歩2分、居酒屋さんだったスペースをお借りして、やっぱり月1回ですが、パルこども食堂の子どもたちも来られるように第2土曜日。

近隣の小中学校に広く宣伝して、誰でも来られるオープンな場にしたいと思っています。

ここではレインボーリボンの原点、多文化共生の子育ち・子育て環境を作りたいのです。

外国人であるとか、障がいがあるとか、人とちょっとちがうことは「面白いこと」「豊かな個性」。かわいそうなことじゃない。

その場に集まるみんながそう思えるように、仕組みをいま一生懸命考えています。

ああでもない、こうでもない、と悶々とする日々ですが、幸か不幸か9月はイベントが目白押しで、1人で考え込んでいる時間はまったくありませんでした。

昨年、かつしか子育てネットワークの結成10周年記念として開催した「子ども子育てフェスタ」が、今年も9月19日に第2回の開催、2,000人の来場者がありました。

フェスタの中で同時開催された北島尚志さんの講演会の題名は「遊びは主食」。

4歳くらいから11、12歳くらいの子どもは、現実の世界とファンタジーの世界を自由に行き来できる、人生の特別な数年間を過ごしているのですね。この時期は本当に「遊びが主食」。生きていくための一番大事な栄養素、「遊び」を大切にしたいなと思いました。

25日にはかつしか子ども・若者応援ネットワークの講座「当事者が語る不登校」に参加しました。講師は東京シューレ葛飾中学校長の奥地圭子さん。

不登校を経験した若者3人と、子どもが不登校だった親3人、6人の「当事者」がそれぞれの立場からパネルディスカッションしました。

不登校の子どもというと、やはり「かわいそうな・・・」というイメージがつきまといますが、壇上で堂々と語る当事者の姿はそんなイメージをひっくり返すものでした。

学校の理不尽なルール、いじめ、自分の価値を否定された出来事など、不登校に至る傷つきを抱えながら、傷も人生の糧にして、これからの進路、夢を語る若者の姿は頼もしく、感動的でした。

最後のイベントは28日、「広がれ、こども食堂の輪!全国ツアー キックオフイベント」。

「こども食堂」の名付け親とも言われる「気まぐれ八百屋だんだん こども食堂」の店主・近藤博子さんが「こども食堂はかわいそうな子どもにご飯を食べさせる場ではなくて、いろいろなアイディアや知恵を持ち寄る場になっているし、子どもも大人にパワーを与えている。子どもの自己肯定感をアップさせる場にもなっている」と発言されたときには、パルこども食堂の半年間をズバリと表現してもらえたような気がしました。

全国ツアー実行委員会代表、NPO法人豊島子どもWAKUWAKUネットワーク理事長の栗林知絵子さんのお話は、私にとっては今までの学びをぐるっと一つの輪につなげる言葉でした。

栗林さんの活動の原点はプレーパークです。土や水、火など自然の素材を使って異年齢で遊ぶ「冒険遊び場」。

今はどこの公園も「ボール禁止」「自転車禁止」、禁止、禁止で、子どもは遊ぶ権利を奪われています・・・主食なのに。

栗林さんはプレーパークの取り組みの中で子どもが置かれている状況に気づいたそうです。思い切り遊んで、食べて、ぐっすり寝て、安心して何も考えず成長していける「居場所」が、地域や家庭、学校になくなってしまっている・・・。

たくさんの大人が「ご飯を作るくらいだったら私にもできる」と、こども食堂に関心を示している今、こども食堂から「気づき」が広がることを願っています。

(代表 緒方美穂子)

▼「子どもの生きづらさを乗り越えて―子ども支援をどうするか?―」<パネルディスカッション&ポスターセッション>

第10期葛飾区社会教育委員会提言「寄り添う学習支援と中高生の社会的居場所づくり」を受けての講座です。レインボーリボン緒方もパネラー参加します。

日時:平成28年11月6日(日)13:30~16:00

会場:金町地区センター・ホール(5階)

広報かつしか(10月15日号)にて募集開始。先着100名。

▼毎月300円(年3600円)でこども食堂の1食オーナーになりませんか?

子どもに提供する1食分の食材費300円を1口として、寄付を募っています。

口座名義:特定非営利活動法人レインボーリボン ●郵便振替口座:00170-7-449974 ●りそな銀行 青戸支店(店番号470)普通預金1520535

ご寄付くださった方はお名前、連絡先を下記レインボーリボン宛てにお知らせください。

▼オンライン署名サイトChange.orgで『全国の小中学校PTAの皆さんへ いじめ防止対策推進法第15条2項を実行しましょう。いじめのない学校をつくろう!』署名運動を行っています。

https://www.change.org/ja

にアクセスし、右上「検索」ボタンから半角英字「PTA」で検索してください。ご賛同、拡散をよろしくお願いいたします。

▼人身取引の被害者支援団体NPO法人ライトハウスの相談アプリ「ne-ne(ねーね)」が公開されました。このアプリからマンガ「Blue Heartブルー・ハート」の電子版を読むこともできます。マンガを読んで、「自分もこういうことを経験したけど、誰にも言えずにいる。相談していいことなのかもわからない」という人がいたら、女の子も男の子も、ライトハウスに相談してください。 匿名での相談も可能です。身近にいる子どもや若者たちにこのアプリをご紹介ください。

相談アプリne-ne:https://s.lhj.jp

▼レインボーリボンのホームページ
http://rainbow-ribbon-net.org

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このメールマガジンは、NPO法人レインボーリボン代表・緒方美穂子はじめ、スタッフと名刺交換させていただいた方、弊団体のイベント・講座にご参加いただいた方にお送りしています。

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