レインボーリボンメールマガジン第37号「それでもやっぱり、「命こそ宝」」

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■■  レインボーリボン メールマガジン 第37号
■■   それでもやっぱり、「命こそ宝」

2017/4/30
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桜の花が咲き、新緑が輝き、晴れ晴れと空を見上げる季節ですが、今月もやはり、先月から引き続き、「いのちを守り、育てることは難しい」と、重い気持ちを抱える日が多かったですね。

ベトナム人の小学3年生の女の子が殺された事件で、その小学校の保護者会会長が逮捕されたのは4月14日でした。全国で学校、PTA、地域の青少年育成団体などが子どもたちを守り育てるための新年度の体制を作っている真っ最中です。

子ども支援活動をしているボランティア関係者はショックを受け、今でも当惑しています。

本当に彼が犯人だったのだとしたら、また、報道されているように児童ポルノなどを所持していたのだとしたら、なぜそんな人物がリーダーになったのか、事件を防ぐ手段はなかったのか。犠牲となった子どもの死を無駄にしないために、当惑を乗り越えて考えていかなくては・・・と思います。

4月は隣の国の核、ミサイルの問題も連日報道され、本当に戦争が起きてしまうのかという恐怖を感じています。

戦争の恐怖というと日本が他国から攻撃されるということですが、外からの攻撃以前に、「森友学園」をめぐる一連の疑惑報道で明らかになったように、戦前の「教育勅語」や排外主義を子どもたちに教え込もうとしている人たちが一定の力を持っているという日本の内なる実情にも怖さを感じます。

「教育勅語」、排外主義の時代、どんなことが起こったのか――。

「命どぅ宝(ぬち どぅ たから)」は、先の大戦末期、約20万人、実に県民の4人に1人が亡くなったと言われる地上戦を経験した沖縄の言葉です。

かつて琉球王国として固有の文化を持っていた沖縄を日本に同化し、地上戦のさなか集団自決を強制した歴史を、命を守り育てることを使命とする私たちは忘れてはならないと思います。

自然災害も、3月の東日本大震災から6年、4月の熊本地震から1年という節目の季節を迎え、政府の地震調査研究推進本部から30年以内に起こる地震の確率分布図が発表されました。

http://www.j-shis.bosai.go.jp/

東日本大震災の津波で74人の児童と10人の教職員が死亡・行方不明となった宮城県石巻市立大川小学校では、地震発生から津波が到達するまでの50分以上、高台に向かって避難し始めなかったことが悲劇を生みました。

教員自身も犠牲になっていることから、避難の判断が遅れたことを感情的に責める気持ちは湧きませんが、学校での安全確保はやはり教員の責務であり、子どもたちの命を守る使命感を強く持っていてほしかったと思います。この犠牲を教訓に、忘れずに、学校の防災を考えなければなりません。

しかし、現実に「3・11」後の6年間、学校の防災は変わったでしょうか。

「3・11」の翌々年、ある中学校の避難訓練でした。火災の想定で、全校生徒が校庭に避難する中、ひとり教室で待機するよう指示された生徒がいました。車椅子の子だったのです。

訓練を指揮した教員、学校の管理職は本当に火災が起こったとき、その子をどうやって避難させるのか考えていたのでしょうか。考えていたとしても、訓練せずに実行できるでしょうか。

何よりも、教室でひとり待っている間、その子はどんな気持ちだったでしょうか。

いじめの問題でもそうですが、先生が子どもの「いのち」や「こころ」に無関心でいる学校は、子どもにとっては命の危険がある場になってしまうのです。

学校の先生は忙しいですね。

文科省が28日に発表した2016年の教員勤務実態調査によると、中学校で57.7%、小学校で33.5%の先生が労災認定の過労死ライン週20時間以上の残業をしているそうです。

「忙」という字は、心が亡くなると書きます。疲れ切って、自分の命にも人の心にも関心が持てなくなってしまうでしょう。

教員に人間らしい労働環境を保障するよう、みんなが真剣に考える時です。

さて、法人化4年目に突入したレインボーリボンですが、活動を立ち上げるだけで精一杯だった3年間を過ぎ、これまで以上に責任のある地位を築きたいと思っています。

「こども食堂」という居場所の運営を始めたからには、最低限、この場を維持すること、そして子どもの命、安全を守ることに責任を負っています。

その責任を果たすためには歴史の教訓を忘れず、「排除しない」、「関心を持つ」、「他者(他の文化)を尊重する」ことが大切だと考えています。

まだまだ端緒についたばかりですが、レインボーリボンのこども食堂は外国にルーツをもつ子どもの学習支援、発達障がいの子どもの理解と居場所作りに取り組もうとしています。

(代表 緒方美穂子)

▼内閣府が若年層の性暴力被害について啓発サイトを開設しました。4月はAV出演強要、JKビジネス被害防止月間でした。

http://www.gender.go.jp/policy/no_violence/avjk/index.html

▼子どもの性被害について、NPO法人ライトハウスの相談アプリ「ne-ne(ねーね)」から相談することができます。

このアプリからマンガ「Blue Heartブルー・ハート」の電子版を読むこともできます。

マンガを読んで、「自分もこういうことを経験したけど、誰にも言えずにいる。相談していいことなのかもわからない」という人がいたら、女の子も男の子も、匿名での相談も可能です。

身近にいる子どもや若者たちにこのアプリをご紹介ください。

相談アプリne-ne:https://s.lhj.jp

▼レインボーリボンのこども食堂にご寄付いただいた皆さまへ

こども食堂通信No.2で会計報告をしております。ご支援ありがとうございます。

http://rainbow-ribbon-net.org/kodomosyokudou/

▼毎月300円(年3600円)でこども食堂の1食オーナーになりませんか?

子どもに提供する1食分の食材費300円を1口として、年間12口3600円の寄付を募っています。

口座名義:特定非営利活動法人レインボーリボン

●郵便振替口座:00170-7-449974

●りそな銀行 青戸支店(店番号470)普通預金1520535

ご寄付くださった方はお名前、連絡先を下記レインボーリボン宛てにお知らせください。

▼レインボーリボンのホームページ
http://rainbow-ribbon-net.org

このメールマガジンは、代表の緒方はじめ、スタッフと名刺交換させていただいた方、

弊団体のイベント・講座にご参加いただいた方にお送りしています。

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