レインボーリボン メールマガジン 第104号 小さな地域単位の活動団体こそ
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■■ レインボーリボン メールマガジン 第104号
■■ 小さな地域単位の活動団体こそ
2022/11/30
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毎月末、NPO法人レインボーリボンの活動報告と、代表、緒方の思いをお伝えするメールマガジンです。
いつも長文のメルマガを皆さんにお送りしていて、感想や励ましの返信メールをいただくと「こんな長い文章をよく読んでくれる人がいるものだ」と、感動してしまいます。
特に先月は8000字に及ぶ長文となりましたが、やはり温かい感想を送ってくださる方もいて、また、何人かの地元の方から「読みましたよ」と直接お声がけいただきました。
わざわざ事務所に立ち寄ってくださった方もいて、「メールを送ろうかと思ったけど、メールでは何とも表現できなかった」と、労いの言葉をかけてくださるのです。
ある外国人一家への3年に及ぶ寄り添いと、特にこの夏から4カ月の緊急支援の記録を、「大変だったね~」と受けとめていただいて、私としては凝り固まった緊張の糸がようやくほどけていくような安心感を得られました。
当該の外国人家族はまだまだ安定した生活基盤を築くには至っていませんが、母親は子どもたちの未来のために頑張りぬこうとしているので、私としては楽観しています。
さて、11月はそんな緊張の糸がほぐれて、身体のあちこちに凝り固まった痛みを「イタタ、イタタ」と感じながら動き始めた月でした。
まず、「かつしか子ども食堂・居場所づくりネットワーク」の今年度版マップが完成し、葛飾区子ども応援課を通して区内全小中学校の全児童生徒に配布してもらいました。
レインボーリボンのフードパントリーと「あおとこども食堂」もマップに載っていて、このところLineのQRコードからのご利用登録が毎日あります。
Line友だち登録してくださった方に「フードパントリーご希望ですか?こども食堂ご希望ですか?」と問うと、だいたい半々のお答えです。
あおとこども食堂は地域の子どもたちが遊びに来てくれるようになって、少しずつコロナ前の賑やかさを取り戻しつつあるのですが、11月第4週はコロナ第8波の影響でキャンセルが相次ぎました。
コロナ感染が拡大すると、フードパントリーの利用者は増えます。
パートのシフトを減らされたとか、仕事がなくなったという人もいるし、感染後の後遺症がつらくて仕事ができないという人もいます。
自分よりもっと大変な人のためにパントリー利用をしばらく控えていたという人が、この物価高で「どうしても必要な時に来ようと思っていたのですが、それが今です!」と言っていました。
しかしレインボーリボンのフードパントリーは悲壮な雰囲気はなく、意外と皆さん笑顔で、楽しみにして来てくださっています。
ある人がパントリーから帰ってから送ってくれたLineメッセージです。
「今日も色々な食材をありがとうございます。
ふとフードパントリーは私にとって一石二鳥どころか三鳥四鳥だなと感じました。
① 食材をいただける。
② 細やかな会話で平常心正常心が保てる。
③ 外に出る機会を与えてくれる。
④ 私だけじゃないんだと前向きになれる。等を思いました。」
4つのメリットの一つひとつ、この方にとってふだんの生活はその対称にあるんだなと思うと胸を締め付けられます。
「子どもの居場所」をもっと広めたいのと同時に、「親の居場所」も本当に必要だと思います。
11月の活動報告としてもう一つ、区内の中学校で3回連続の「いじめ防止教室」最終回を実施し、生徒全員のお礼の感想文を送っていただきました。
いじめ防止教室もコロナ禍が始まってからなかなか機会がないのですが、今年度は小学校と中学校1校ずつ、授業時間を割いてくださる学校がありました。
小学6年生、中学1年生という思春期の入り口に立つ子どもたちに「いじめ防止」という観点から、「あなたの心も体もあなただけのものであって、誰もあなたの権利を侵害してはいけない」ということを伝えます。
マスク越しの子どもたちの表情を読み取りづらかったり、私自身の授業スキルの低さもあって、受けとめてもらえたかどうか不安でしたが、生徒たちの感想を読んで、「加害者、被害者、傍観者」という3つの立場が容易に入れ替わる「暴力の構図」をよく理解してくれて、自分がその構図にからめとられないためにどう行動するべきか、ちゃんと考えてくれたんだなと安心しました。
12月に入って早々には、横浜市鶴見区PTA連絡協議会が昨年につづいて今年もPTA研修の講師に呼んでくださったので、子どもの権利実現に向けた道しるべとして、いじめ防止教室で子どもたちに伝えている暴力防止の手法をPTAの皆さんにも伝えたいと思います。
「こども食堂・フードパントリー」「いじめ防止」そして、レインボーリボンの原点である「PTAイノベーション」、3つの活動が通常通りのペースを取り戻しつつあります。
本日夕刻、企業研修ALIVE(アライブ)のキックオフ・イベントがあります。
http://www.alive0309.org/
企業研修の一環として様々な社会課題の解決法を模索するというALIVE。
今期のテーマの一つとして、レインボーリボンの「PTAイノベーション」を選んでくださいました。
全国のPTAが子どもの幸せを実現するための組織として活動すれば、本当にあらゆる課題が解決に向かうと思っています。
私たちが実践し、目指しているのは、小さな地域単位の活動団体です。
冒頭の外国人一家も、母国の在日大使館にさえ助けてもらえなくても、私たち地域のボランティアの支えで、極端に言えば「飢え死にしなかった」と言えると思うのです。
世界には戦争や貧困で命を落とす子どもたちがいます。
隣の国から飛んでくるミサイルも怖いと思いますが、そのミサイルの影で貧困に苦しむ人々が国家に助けてもらえず、いつか我々の生活圏に流れ込んでくる日も来るかもしれません。
何が起こるかわからない時代、地域に小さな活動がたくさんあってこそ、持続可能な社会をつくるのだと思っています。
(代表・緒方美穂子)
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