レインボーリボン メールマガジン 第109号 このビジョン、このミッションのために

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■■  レインボーリボン メールマガジン 第109号
■■   このビジョン、このミッションのために
2023/4/30
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毎月末、NPO法人レインボーリボンの活動報告と、代表、緒方の思いをお伝えするメールマガジンです。

4月はいろいろな「新しいこと」が始まる月ですね。
国レベルでは「こども家庭庁」が発足し、「こども基本法」が施行されました。

「全てのこどもが、生涯にわたる人格形成の基礎を築き、自立した個人としてひとしく健やかに成長することができ、心身の状況、置かれている環境等にかかわらず、その権利の擁護が図られ、将来にわたって幸福な生活を送ることができる社会の実現を目指す」という「こども基本法」。

「こどもも大人も、みんなが幸せな生活を送ることのできる【こどもまんなか社会】をつくっていく」ことをミッションとするこども家庭庁。

政府の動きは「遅すぎる」とか「効果が期待できない」という批判もありますが、このビジョン、このミッションのために今まで頑張ってきた私たち、市民活動団体からすれば、「ようやくここまで来た」、今度こそ世の中が変わる…と、感慨もひとしおです。

10数年前、まだ自分たちに「レインボーリボン」という名前もつけていなかった頃、PTA活動の仲間たちと一緒に小学校の記念行事で掲げた横断幕には「子どもたちが楽しく、幸せに生きていけますように」と書きました。
当時、幼い子どもが殺される事件が相次いでいて、「生きていけますように」という祈りには切実なものがありました。
「楽しく」小学校生活を送ってほしい、「幸せ」な人生を送ってほしい、親としての当たり前の願いです。

その後、子どもたちが中学生になると、いじめ自殺の大波がやってきました。
いじめが原因で自殺する子どもの数は、ほぼ10年周期で大きな波がやってくると言われています。
1986年2月、東京の中野富士見中学2年生男子が盛岡市の駅ビル地下トイレで首つり自殺をした事件が象徴する第1波。
1994年11月、愛知県西尾市立東部中学2年生男子が自宅裏の柿の木で首つり自殺をした第2波。
2005年~06年、北海道滝川市立小学校6年生の女児の首つり自殺など、第3波。
我々の子どもたちが中学生だったのは、第4波、2011年10月滋賀県大津市の中学2年生男子が自宅マンションから飛び降り自殺した事件が大きく報道されていた頃でした。

私たちは学校で「いじめ防止」の授業を行うことを求めて、講演会を企画開催したり、いじめ防止教室を実施するための訓練も受け、今では自ら出張授業を行っています。
子どもたちの命を守るために、必死に活動してきました。

2016年から「こども食堂」の活動を始め、家庭、学校以外の「第3の居場所」が子どもにとっても大人にとっても必要なのだということを感じてきました。
しかし、その場、その時のかけがえのない笑顔を知っているからこそ、その子の「命」や「人生」を削るほどの大きな「環境の影響」に抗うことができない、市民活動の限界にも打ちのめされてきました。

ある子はお母さんに「彼氏」ができたため、家にいることができなくなってしまいました。
ある子は家で暴力を受けていても、その家を出て一人で生きていけるとは思えなくて、我慢しています。
ある子は親が病気のため、学校給食がない日は栄養のある食事を摂ることができません。

市民の力ではどうにもできず、行政や専門機関にSOSを出しますが、スッキリと問題が解決して「もう大丈夫」「良かったね」と言えたケースは、今まで一つもありません。

この4月、葛飾区には「くらしのまるごと相談課」が新設されました。
既存の福祉政策の狭間にこぼれ落ちてしまうレアケースや、様々な困難状況が複雑に絡んでいるケースも「まるごと」引き受ける福祉窓口です。

今まで「福祉総合窓口」もあったのですが、例えば、ある若者をこの窓口に連れて行ったとき、生活保護を受けている世帯員の相談は生活保護を管轄している部署でしか受けられないと言われ、生活保護を管轄している部署にも相談したのですが、若者の悩みに寄り添った相談にはのってもらえず、結局、区役所からの支援はあきらめたことがあります。

「まるごと相談窓口」ができたらすぐにすべてが解決するわけではないとしても、子ども、若者、すべての人が楽しく、幸せに生きていくことを支援する部署ができたことは、大きな前進だと思います。

世の中、少しずつ前進しています。
レインボーリボンも前進あるのみ。
4月から「PTAイノベーションの大波を全国に」「3年後、PTAの器を使って新しいことを始めている学校が100校に達している」という目標に向かって、新事業を立ち上げました。
小さな一歩ですが、歩き出した私たちの姿を近日中にお見せできると思います。
どうぞお楽しみに!
(代表・緒方美穂子)

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