レインボーリボン メールマガジン 第91号 歴史の縦糸と、地理的な横糸が重なった今、ここで、共に生きる

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■■  レインボーリボン メールマガジン 第91号
■■   歴史の縦糸と、地理的な横糸が重なった今、ここで、共に生きる
  2021/10/31
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NPO法人レインボーリボンの1か月の活動報告と、代表、緒方の思いをお伝えするメールマガジンです。

10月は緊急事態宣言が解除されたので、いろいろな活動ができるようになり、レインボーリボンも大忙しの月でした。
10月は土日の週末が5回あったのですが、毎週末、「フードパントリー」か「あおとこども食堂」か「野菜の無料スーパー」というイベント開催に明け暮れました。
しかし明るい気持ち一辺倒ともいきません。
「あおとこども食堂」は、2016年11月12日に第1回を開催して以来、昨日、10月30日が57回目の開催だったのですが、なんと子どもの「遊びコーナー」予約がゼロという、前代未聞の事態に直面してしまいました。(結果的には7人の子どもが遊びに来てくれましたが。)

コロナの感染が拡大する直前、2020年2月8日の参加者は子ども25人、保護者17人、ボランティア11人の合計53人。その前の回は子ども34人、保護者22人、ボランティア18人の74人でした。
遊ぶ場所も調理場もこれ以上の人数は無理…どうやって制限すれば良いのか…と頭を悩ませていた矢先、コロナ禍で会場が使えなくなり、2020年6月に再開した回は子ども2人、保護者1人、ボランティア8人の11人参加でした。
この間、「パルこども食堂」も「よみかき宿題こどもカフェ@なぎ」も会場が使えず、1度も開催していません。
「あおとこども食堂」は唯一、緊急事態宣言が出ていなければ会場を使わせてもらえるため、コロナ前は月に1回の開催でしたが、今は月に2回開催しています。

一方、月2回の「フードパントリー」は毎回30世帯前後の利用があり、平均63人に食糧支援をしています。こちらの利用者数は横ばいです。
生活が落ち着いたのか、来なくなる方もいる一方、新たな申し込みもポツリポツリと続いています。

コロナ禍が始まってからの「あおとこども食堂」の開催方法は「お弁当持ち帰り」とし、遊びコーナーはフードパントリー利用世帯の子どもに限ってきました。
昨年6月の再開初日こそ2人でしたが、その後は10人前後の子どもが遊びに来ていました。
ところが、10月に入り、急に子どもが来なくなってしまいました。

ある家庭は、親御さんがようやく就職できて、週末仕事が入ったため、子どもを連れて行けないということでした。
またある家庭は、お子さんが習い事を始めたといいます。
フードパントリー利用者の生活が改善されてきた影響で、こども食堂に来なくなったのだとしたら、喜ばしいことかもしれません。
しかし、参加者数が少ないとボランティアの皆さんもとてもモチベーションが下がってしまうので、来月からはパントリー利用者以外にも「遊びコーナー」に来てくれるように宣伝しようと思っています。
お弁当の注文は、まだしばらくパントリー利用者に限らざるを得ませんが。

新型コロナウィルスのパンデミックという大きな波に翻弄されて、小さなNPOの舟は舵取りが本当にたいへんです。
でも、こうやって大揺れに揺れながら、目指す方向は見失っていないと思いますし、短期的に見れば大変な困難でも、長期的に見ればきっと何かしら意味のある出来事だったと振り返る日が来ると思います。

「私たちは歴史の縦糸と、地理的な横糸が重なった今、ここで、共に生きています」という言葉を聞いたのは、もう四半世紀も前、韓国から従軍慰安婦問題について講演するために来日した尹貞玉(ユン・ジョンオク)梨花女子大学教授からでした。
日本が戦時中、植民地支配していた朝鮮半島の女性を従軍慰安婦として連行したというおぞましい歴史に向き合うとき、加害側、被害側という立ち位置だけでは物事を前に進める思考ができないけれど、歴史の縦糸と地理的な横糸の結び目に立っている「私たち」という考え方を教えてもらったとき、なぜか未来が開けるような解放感、充実感を覚えたものです。

当時、新米記者だった私は従軍慰安婦問題に関する取材に取り組んだり、また、在日韓国人が祖国の韓国で「国家保安法違反」で囚われていた政治犯救援運動にも関わっていました。
そんな昔のご縁で、来月、「日韓市民100人未来対話」(早稲田大学韓国学研究所、ソウル大学日本研究所、韓国国際交流財団の共同主催)オンライン会議に参加できることになりました。
大学教授、企業や財団の役員など、立派な肩書の方々に交じって、ほとんど「一介の主婦」という立場の私は気おくれもしますが、どんな議論が聞けるのか、とても楽しみです。

レインボーリボンは地域の子どもたち、親たちという「目の前にいる人たち」と共に、笑顔で幸せに生きていくために生まれました。活動のきっかけになったのは、外国人の保護者が学校やPTA、私たち日本人との関係にとても苦労している実態を知ったことでした。
若い頃、在日韓国人という「隣人」が抱える困難や、戦争の犠牲を強いられた「隣国の女性」の問題に関心をもった、その延長線上で私はレインボーリボンを立ち上げたのかもしれません。
今も政治によって苦しめられている東アジアの子どもたちの存在がずっと心にあります。

今日は日本の総選挙、投票日ですね。
この1票が子どもの笑顔と世界の平和につながりますように!
(代表・緒方美穂子)

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【ご参考】さとふる「ワンストップ特例制度」入門ガイド
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