レインボーリボンメールマガジン第10号「暴力の鎖を断ち切る「多文化共生」」
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■■ レインボーリボン メールマガジン 第10号
■■ 暴力の鎖を断ち切る「多文化共生」
2015/1/31
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こんにちは(^^)代表の緒方です。
大晦日のメルマガで「子どもが暴力の犠牲にならない世界にしたい」と書いたばかりですが、昨年の4月にナイジェリアで200人以上の女子生徒を拉致した事件が大きく報道された「ボコ・ハラム」が、今年に入って10歳前後の女児に爆弾を巻き付け自爆テロを強要するという、にわかには信じがたいほど残虐な事件が起きています。
そして今、シリアで人質となっている後藤健二さんの解放を祈る日々です。
救われるのは、マスコミや多くの知識人が「イスラム教とイスラム過激派は別だ。イスラム教は本来、寛容で平和を愛する宗教だ」というメッセージを発信していることです。
後藤健二さんがイスラム圏に対する偏見を排し、戦時下の子どもたちの姿を伝えるという使命感を持って取材活動をしてきたことが、今回の事件の背景にあるからだと思います。
かつて北朝鮮が日本人を拉致していたことが明らかになったときなどは、罪のない在日朝鮮人の少女たちが、心ない日本人によって民族衣装であるチマ・チョゴリを切りつけられるという事件が頻発しました。
私がレインボーリボンを作るきっかけとなったPTA広報部の活動をしていた8年前は、中国人に対するバッシングが盛んに行なわれていました。「ゴミの出し方が非常識」「夜遅くまで大声で騒いでいる」など、テレビのワイドショーで連日、中国人を攻撃していた時期でした。
そんな中、小学2年生の女の子がいる中国人の家庭に、同じマンションに住む日本人男性が「騒音を出している」と怒鳴り込むようになったのです。水道管のメンテナンス工事の直後から水が流れる音が大きくなったというのですから、原因は工事にあるはずなのに。
毎日のように怒鳴り込まれ、「子どももいるので怖い」と、中国人の家族は引っ越していきました。2年生の女の子は転校したくなかったので、遠くから小学校に通うようになりました。
ある日の下校時、小さな体でおそらく30分以上は歩いて帰る女の子の後ろ姿を見かけたとき、どうして引っ越さなくてはならなかったのか、もっと早く中国人の親御さんと親しくなっていれば私がトラブルを仲裁できたかもしれない・・・と、とても悲しく思いました。
レインボーリボンが「多文化共生のPTA」をめざすのは、こんな悲しいことを少しでもなくしていきたいからです。
中東、アフリカと欧米、日本と中国、北朝鮮、韓国・・・長い歴史の糸が絡み合った果ての憎しみ、戦争、暴力を前に、私たち一人ひとりの力はあまりにも小さく、無力感に打ちのめされてしまいます。が、同じ学校に子どもを通わせている保護者同士という人間関係であれば、一人ひとりのちょっとした気遣い、言葉、行動で「多文化共生」という素晴らしいことができてしまうのです。
レインボーリボンはいま、連続15回の「いじめ防止プログラム指導者養成講座」真っ最中です。
講師の瀧田信之先生は13年前から中学1年生対象のプログラムを実施してこられました。先生の経験談として、加害者グループのトップに立つ暴力的な子が鑑別所に送られるなど一時的に不在になると、別の子が代わりにグループを継承するそうです。トップを取り除いても暴力の鎖は断ち切れないのです。
暴力の鎖を断ち切るためには、何が必要なのでしょうか。
まずは、どんな理由があっても暴力は許されないという大前提。その上で、加害者がなぜ暴力をふるうのか、加害者の背景を知ること。加害者に貼り付けられた暴力的なレッテルをはがすこと。私たち一人ひとりが大切な存在であって、暴力をふるっても、ふるわれてもいけない、尊厳ある人間なんだと自覚すること。
人の「生き方」に関わる、むずかしい道のりですね。
でも「共に生きていく」ことは楽しいことです。怖れや怒り、嫉妬や憎しみといった重い荷物を降ろしてラクになれる生き方です。
(代表 緒方美穂子)
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※本メールは、NPO法人レインボーリボン代表緒方美穂子はじめ、
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