レインボーリボンメールマガジン第35号「「困った」ときこそ、チャンスかも!?」
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■■ レインボーリボン メールマガジン 第35号
■■ 「困った」ときこそ、チャンスかも!?
2017/2/28
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早くも明日から3月。もう年度末ですね。
進級、進学、卒業など、子どもの成長にとって節目となる季節は親もハラハラドキドキの連続です。
子どもが無事に育っていけるように、学校、行政の支えを誰もが期待し、求めています。
レインボーリボンの活動拠点である東京都葛飾区では、まるでフィンランドの「ネウボラ」のような、妊娠から出産、子どもの就学まで自治体が切れ目なくサポートする仕組みがあると、以前にもお伝えしました。
「すこやか子育て応援隊」といって、母子手帳を受け取る窓口(児童館など)で、「顔が見える」助産師、保健師、看護師といった医療面の専門家と、生活面での専門家である保育士が、出産後の乳幼児健診まで切れ目なく相談対応するという制度です。
http://www.city.katsushika.lg.jp/kurashi/1000061/1003783/1002446.html
学齢期の子どもへの支援も充実していて、親が子どもの発達について心配があり、生活指導や発達支援を受けたいと思ったとき、例えば、放課後等デイサービスに通う費用に区から補助が出ます。
http://www.city.katsushika.lg.jp/kurashi/1000053/1002246/1011489.html
今月16日、学校の養護教諭が主宰する「学校保健委員会」という会合に初めて参加させていただき、区内で放課後等デイサービスを行っている事業者のひとつ、ソラアル株式会社の河髙康子さんの講演を聞く機会がありました。
児童・生徒が学校で特別支援を受けている場合、「診断書」等がなくても受給者証の発行を可能としている自治体はまだ少ないのが現状だけに、葛飾区はそれを実現しており、障害福祉サービスの意識の高さを感じていると、河髙さんはおっしゃっていました。
「発達障がいだと診断された」というところではなくて、子どもや親が「困っている」、そこから行政の支援が出発するんですね。
26日、かつしか区民大学講座「不登校は問題行動か?」では区教育委員会の加藤憲司・統括指導主事の講演を聞きました。
まず、結論として「不登校は問題行動ではないです」。
文科省の「不登校児童生徒への支援の在り方について(通知)」(28文科初第770号 平成28年9月14日)でも「不登校とは多様な要因・背景により、結果として不登校状態になっているということであり、その行為を『問題行動』と判断してはならない」と明記しています。
問題なのは、不登校状態が続いて教育の機会を奪われることや、自己肯定感の低下、進路の選択肢が少なくなることです。
葛飾区は不登校児童・生徒の割合が全国平均よりも高く、区の中期実施計画に「不登校対策プロジェクト」を据え、例えば「発達障がいがある」、「日本語が母語ではない」などの困難を抱える子どもへのサポート体制を考えています。
4月からの新年度では、担任、養護教諭、スクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカーなどが個々の子ども、親と話し合う「児童生徒理解・教育支援シート」を導入する予定だそうです。
葛飾区には不登校の子どものためのフリースクールから生まれた私立中学「東京シューレ葛飾中学校」もあります。
公立の双葉中学校夜間学級もあります。
http://school.katsushika.ed.jp/futaba-j/html/index.cfm/1,0,20,html
双葉中学夜間学級の運動会では「年齢別徒競走」にみんなの大声援が飛び、文化祭では各国お国自慢料理の模擬店が大盛況で、まさに「多文化共生」の学校なのだそうです。
病弱な子どものための全寮制の保田しおさい学校(小学校)も、様々な背景で学校に行けない子どもを受け入れているそうです。
http://school.katsushika.ed.jp/hota_shiosai-e/html/
今回の区民大学「不登校は問題行動か?」を教育委員会と共催した「かつしか子ども若者応援ネットワーク」では、私たちレインボーリボンも含む民間の個人・団体が連携して活動しています。
https://sites.google.com/site/katsushikaouennetwork/
ここまで地元の葛飾自慢を書いてきましたが、何といっても一番は、やっぱり「下町人情」です。
子どもが小さい頃、団地の中庭でベビーカーを押していると、通りすがりのおばあちゃんに「たいへんだけど、頑張りなさいよ!」と声をかけられました。
ある駐在さんは定年退職してもう何年も前に遠方に引っ越したのに、今でも子ども会の餅つき大会には電車に乗って駆けつけてくるそうです。
そんな「おせっかいおばさん」「おせっかいおじさん」たちが、学校にボランティアで助っ人に行く仕組み、「学校地域応援団」もいま、活動を始めています。
http://www.city.katsushika.lg.jp/kurashi/1000057/1002477/1002678.html
27日には、葛飾区教育委員会主催の「わがまち楽習会・子どもの生きづらさを乗り越えて――子ども支援をどうするか?」の最終回で講師を務めさせていただきましたが、私の演題は「『困った』から始める社会事業」でした。
2014年のレインボーリボン法人化に先立つ2年前、2012年1月から3月まで、男女共同参画センター横浜主催の「私の『困った』からはじまる女性のための社会起業スクール」全10回講座に、葛飾区から神奈川県戸塚まで、往復3時間、3か月間通った経験を、いま葛飾区で子ども支援に取り組んでいる仲間たちに伝えました。
スクールの基本理念は「従来の価値観と仕組み」から発生している「困った」事態を解決するために、「新しい価値」を生み出そうというものでした。
今月あった講座もそうですが、この数年来、子ども支援の講座はどれも想定を超える参加者数、熱意あふれる討議が繰り広げられている確かな手応えがあります。
子どもの貧困問題、いじめ自殺などが報じられる中、子どもたちのために「何とかしたい」と、下町のおじちゃん、おばちゃんたちが腕まくりしているような感じです。
子どもたちの「困った」がクローズアップされている今、私たち「おせっかいさん」が学校に関わって学校を子どもたちの楽しい居場所にしたり、年齢やルーツが多様な人同士の温かいコミュニティを創ったり、そんな「多文化共生の社会」を創る社会事業を起こすビッグ・チャンスかもしれません。
(代表 緒方美穂子)
▼毎月300円(年3600円)でこども食堂の1食オーナーになりませんか?
子どもに提供する1食分の食材費300円を1口として、年間12口3600円の寄付を募っています。
口座名義:特定非営利活動法人レインボーリボン
●郵便振替口座:00170-7-449974
●りそな銀行 青戸支店(店番号470)普通預金1520535
ご寄付くださった方はお名前、連絡先を下記レインボーリボン宛てにお知らせください。
▼人身取引の被害者支援団体NPO法人ライトハウスの相談アプリ「ne-ne(ねーね)」。
このアプリからマンガ「Blue Heartブルー・ハート」の電子版を読むこともできます。
マンガを読んで、「自分もこういうことを経験したけど、誰にも言えずにいる。相談していいことなのかもわからない」という人がいたら、女の子も男の子も、匿名での相談も可能です。身近にいる子どもや若者たちにこのアプリをご紹介ください。
相談アプリne-ne:https://s.lhj.jp
▼レインボーリボンのホームページ
http://rainbow-ribbon-net.org
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