レインボーリボンメールマガジン第39号「「本当に幸せ?」子どもにきいてみよう。」

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■■  レインボーリボン メールマガジン 第39号
■■   「本当に幸せ?」子どもにきいてみよう。

2017/6/30
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6月は卓球、将棋で中学生が大活躍しましたね!少し前までは地味なイメージだった卓球も将棋も、今や世の中の大ブームです。

子ども支援の活動をしている者にとっては胸躍る嬉しい現象です。そもそも「子ども支援」とは、「自分の能力や可能性を最大限に発揮したい」という子どもの「成長欲求」に応える活動なのですから。

6月はPTA研修の季節でもあります。

今年、レインボーリボンは新宿区PTA広報研修、江東区PTA基礎研修会の講師を請け負いました。

どの研修でも必ず最初にやるワークは「PTAのミッション」です。

「親の義務だから」「順番だから」と仕方なく、やらされ感いっぱいで活動をしている人がほとんどですが、そもそもPTAって何のためにあるんだっけ?我々は何のために活動しているんだっけ?と、研修参加者に投げかけます。「子どものために」「子どもの幸せのために」が一番の理由であることは明らかですが、では、「子どもの幸せって何?」

「美味しいものをたくさん食べられること」「勉強ができること」「好きなこと(スポーツなど)で一番になる」「友だちに恵まれる」・・・

その「幸せ」は子どものどんな「欲求」に応えることで実現できますか?

アメリカの心理学者アブラハム・マズローが提唱している、「5大欲求説」に沿って「子どもの幸せ」を考えます。

マズローは、「人間は自己実現に向かって絶えず成長する生きものである」として、人間の欲求を「5段階のピラミッド」に表しています。

一番下の土台にあたる部分は食事や睡眠などの「生理的欲求」、その上に健康や安定を求める「安全の欲求」、その上は自分の居場所、社会的役割などを求める「社会的欲求・所属の欲求」、さらに他者から評価・尊重されることや自分で自分を尊いと思える「承認(尊重)の欲求」、そしてピラミッドの頂点は「自分の能力や可能性を最大限に発揮したい」という「自己実現の欲求(成長欲求)」です。

数年前に地元の中学校に、主に知的障がいを対象とした特別支援学級が新設されたときに、PTA広報として主任の先生にインタビューしたことがあります。

古い時代のイメージで、知的障がい児への教育といえば、集団行動に慣れさせる整列訓練とか、単純作業を覚えさせる職業訓練のようなものを想像していましたが、その先生の「特別支援教育とは」というお話はまったく違っていました。

「まず、保護者の相談から始まります」。

「IQがいくつ以下だから」という振り分けではないというのです。保護者がその子どもについて苦手なこと、心配なことを学校や教育委員会に相談するところから始まり、その子にとって最善の教育内容を考えることが「特別支援教育」なのです。

その目的は、その子が社会に出て、自立して生きていけるようになることです。

私はこの先生のお話を聞いた後、PTA研修で示すマズロー図の頂点に、星を描くようになりました。教育の最高のミッションを語っていただいた気がしたのです。

先日、かつしか子ども・若者応援ネットワーク、葛飾区教育委員会共催の特別講演会「不登校の子どもの学ぶ権利とは?」で聞いた喜多明人さん(早稲田大学教授)のお話も刺激的でした。

喜多先生は「子どもの権利条約」(1989年国連総会採択、1994年日本政府批准)の普及啓発に長年携わってこられ、「多様な学び保障法を実現する会」共同代表として、昨年12月に国会で成立した「教育機会確保法」の制定にも関わってこられました。

喜多先生が講演の冒頭で紹介したのは、法制定当時に文科省事務次官だった前川喜平さんが説明する「教育機会確保法」の位置づけでした。

憲法26条1 すべて国民は、法律の定めるところにより、その能力に応じて、ひとしく教育を受ける権利を有する。2 すべて国民は、法律の定めるところにより、その保護する子女に普通教育を受けさせる義務を負ふ。義務教育は、これを無償とする。

保護者が子どもに受けさせる義務を負っている義務教育とは「普通教育」であり、「学校教育」ではないということです。

「普通教育」が学校でしか受けられない現在の日本の状態は、戦中に多様な教育の場が禁止され、すべて国民学校に吸収された戦時体制の名残であり、様々な理由で学校に行けなかった人々の学ぶ権利を保障できない、法制の不備であるという指摘です。

では、学校以外の場でどうやって子どもの学ぶ権利を保障するのか。

喜多先生は「教える」「指導する」という立場に慣れてしまっている「教育学」に限界を感じていると言います。そして、子どもの生来的な生命力、意思に寄り添い、子ども自身による自己形成(成長)と学びを支えていく「子ども支援学」を提唱されています。

講演会会場で喜多先生のサイン欲しさに著書『子どもの権利 次世代につなぐ』(エイデル研究所)を購入しました。

第1章は、フリースクールで学ぶ子どもたちが「途上国の子どもは不幸せだが、日本の子どもは幸せ」という言葉を聞いて、「本当に私たちは幸せなのだろうか」と疑問を持つというエピソードから始まります。その子たちは「不登校の子どもの権利宣言」をまとめ、「私たちには、学びたいことを自身に合った方法で学ぶ権利がある」と高らかに宣言しました。

「子どもの幸せ」って何だろうといつも考えている私たち。まずは身近な子どもに「本当に幸せ?」ときいてみなくては。

(代表 緒方美穂子)

▼子どもボランティア総合講座(葛飾区教育委員会)

対象:葛飾区内在住・在勤・在学の方

7月25日(火)「現代のいじめの構造」、26日(水)「言語文化背景の異なる子ども」、27日(木)「気になる子どもとの接し方」、28日(金)「発達障害とは」など。8月のプログラムもあります。1講義のみの参加も可。無料。

時間:午前10時から正午まで

会場:葛飾区男女平等推進センター視聴覚室

http://www.city.katsushika.lg.jp/event/1000106/1014961.html

▼子どもの性被害相談アプリ「ne-ne(ねーね)」(NPO法人ライトハウス)

このアプリからマンガ「Blue Heartブルー・ハート」の電子版を読むこともできます。

女の子も男の子も、匿名での相談も可能。

相談アプリne-ne:https://s.lhj.jp

▼レインボーリボンでは子どもに提供する1食分の食材費300円を1口として、年間12口3600円の寄付(こども食堂の1食オーナー)を募っています。

口座名義:特定非営利活動法人レインボーリボン

●郵便振替口座:00170-7-449974

●りそな銀行 青戸支店(店番号470)普通預金1520535

ご寄付くださった方はお名前、連絡先を下記レインボーリボン宛てにお知らせください。

▼レインボーリボンのホームページ
http://rainbow-ribbon-net.org

このメールマガジンは、代表の緒方はじめ、スタッフと名刺交換させていただいた方、

弊団体のイベント・講座にご参加いただいた方にお送りしています。

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