レインボーリボン メールマガジン 第123号 私たちは子どもの「居場所」になれるのかな?

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■■  レインボーリボン メールマガジン 第123号
■■   私たちは子どもの「居場所」になれるのかな?
  2024/6/30
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毎月末、NPO法人レインボーリボンの活動報告と、代表、緒方の思いをお伝えするメールマガジンです。

6月の葛飾区議会で「子どもの居場所づくり及び子ども食堂支援に関する請願」を全会一致で採択していただきました。
請願全文は下記ブログでご覧いただけます。
https://katsushika-kodomoshokudou.net/2024/06/21/seigan/
簡単に言うと、「葛飾区は民間団体の『居場所づくり』を支援してください」という趣旨です。

葛飾区の「子ども・若者支援活動費助成」制度は、こども食堂や子どもの居場所を運営する団体にとってはかなり手厚い助成制度で、例えば、新たにこども食堂を始めようとする時には最大50万円の助成金があります。
こうした行政の援助はたいへんありがたいのですが、しかし、助成金を出すだけではなくて、私たち区民と一緒に社会課題の解決のために動いてください、という趣旨の請願でした。

議会請願、やろう、と思ったのは、2月に開催された「子育て支援団体と子ども未来プラザの連携に向けた意見交換会(第5回)」で、こども食堂側の意見がスルーされてしまったからです。
「子ども未来プラザ」は葛飾区に7館ある拠点児童館の建替えに伴って、順次、建設が進んでいる施設で、これまで3館が完成オープンしました。地域の多様な子育て支援団体を育成しながら、区と区民が連携していこうという方針で、私たち「かつしか子ども食堂・居場所づくりネットワーク」も「意見交換会」に参加しています。
しかし、子ども未来プラザには調理施設を設けないという方針が最初から決まっていて、他の施設と併設型の1館を除いて、調理室なしの建設計画がどんどん進んでいました。
4館目の基本設計の説明を受けた2月の意見交換会で、私たち、堪忍袋の緒が切れました。

調理室のある公共施設はありますが、こども食堂は料理教室などの一般のサークル活動と同列で、利用希望日がかち合えば抽選等で、会場を定期的に確保できない立場です。
レインボーリボンは2016年に男女平等推進センターで月に1回の「パルこども食堂」を始め、1年間実績を積んだところでセンター側に「定期的な使用を認めてほしい」と申し入れましたが、「他団体との公平性を欠く」という理由で、認められませんでした。
他のサークルとかち合うことよりも、センターの全館清掃とか区の直営イベントなどで調理室を利用できないことが度々あり、子どもたちへの連絡、ボランティアの調整に苦労しました。

こども食堂を趣味のサークルと同列に扱うことが「公平」なのか、こども食堂を無視して区の施設運営や施策を進めることが「公正」なのか、根本的な考え方を問いたいところです。

2月の意見交換会で、次に建設する子ども未来プラザにも区民が利用できる調理室はないという説明を受け、「私たち地域のおじちゃん、おばちゃんがこども食堂をやるとしたら、公共施設しかないんですよ」と食い下がりましたが、その場でも、その後も、子育て支援課からは何の答えもありませんでした。

私は「葛飾区子ども・若者支援地域協議会」専門部会の議論にもこの数年、関わっています。
令和2年度までの専門部会の議論の「まとめ」として、①地域における支援のネットワークの具体化、②保護者への支援・アプローチの構築、③区民への啓発――の3点が取り組むべき課題であると整理されていました。
「地域における支援のネットワークの具体化」は、学校や区の支援機関と地域の活動団体がつながり、誰も孤立させないネットワークをつくろうという意欲的な内容で期待していたのですが、昨年、専門部会の今後の方向性として「①については、子育て支援団体と子ども未来プラザの連携に向けた意見交換会を順次開催するなど具体の動きがあったことから、今回は②及び③について…」という区側の見解が示され、「え?あれがネットワークの具体化?」と、愕然としました。

区側が既定の「説明」をして、民間側が何を言おうとスルー、それがネットワークの具体化?

4館目の工事着工を横目に見ながら、黙っているわけにいかなくなり、議会請願に動きました。
請願を出すからには、すべての区議会議員に賛成してもらいたいと思いました。
たくさんの方にご助言、ご助力をいただき、心ある議員にたどり着くことができました。
区議会の保健福祉委員会では提案趣旨説明をし、私がなぜ、こども食堂を始めたのか、行政とどう協働してきたのか、お話させていただきました。
議員から「こども食堂は行政の手の届かない困難家庭にも手を差し伸べ、行政と協働して課題解決をしようとしている。子ども未来プラザでどうぞ、こども食堂をやってくださいと、行政の側からお願いしても良いくらいではないか」とまで言っていただきました。

先日、子育て支援課の職員さんが「あおとこども食堂」の見学に来てくれて、新しい子ども未来プラザでこども食堂を開催するためには何が必要か、一生懸命考えてくれています。
やっと、建設計画に私たちの声が反映されるのです。
これからもう一歩、前に進め、子どもたちの声を聴いてほしいと思っています。

こども食堂は大人が趣味の料理を楽しむ場ではなく、「子どもの居場所」です。
そこが自分にとっての「居場所」かどうかを決めるのは子どもですが、「居場所づくり」をするのは大人です。子どもの声を聴かなければ、「居場所」になることはできません。
(代表・緒方美穂子)

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