レインボーリボン メールマガジン 第125号 飾りじゃないのよ「名前」は…こども食堂もPTAも

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■■  レインボーリボン メールマガジン 第125号
■■   飾りじゃないのよ「名前」は…こども食堂もPTAも
  2024/8/31
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東京都葛飾区を拠点とするNPO法人レインボーリボンの活動報告、代表の緒方の思いをお伝えするメールマガジンを毎月、月末にお届けしています。

台風10号の被害に遭われた方々には心よりお見舞い申し上げます。
レインボーリボンは本日午後の「あおとこども食堂」を開催するかどうか、1週間悩みつづけ、結果、雨だけであれば決行することにしました。

URの集会所をお借りして開催している「あおとこども食堂」。
定期開催日の第2・第4土曜日の使用予約のために、ボランティア・スタッフが毎月第1営業日の朝1番に管理事務所に行ってくれるのですが、UR本体が集会所使用を押さえてしまっている日は予約できません。
8月も第4土曜日がとれず、第5土曜日の今日に変更しました。その上、9月の第2土曜日もダメで、9月は第4土曜日1回のみの開催予定です。

こういうことが何回かあり、管理事務所に文句を言ってもらちが明かないので、東京エリアのUR団地を管轄する事務所に電話してみました。
来年度からは第2・第4土曜日に青戸団地の集会所にURの使用を当てないように、ご配慮いただけるとのことです。
しかも青戸以外のUR団地でも、こども食堂をやりたい団体があれば紹介してほしいと言われました。

こども食堂は地域の繋がりをつくる効果があるので、URにとっても歓迎すべき取り組みなのだと思います。
行政にとっても同じでしょう。
6月のメルマガで書きましたが、公共施設の使用について、こども食堂開催に優先度を与えてほしいと私たちが主張するのは、こども食堂には公共の利益があるからです。

レインボーリボン メールマガジン 第123号 私たちは子どもの「居場所」になれるのかな?

しかし、「こども食堂」を名乗ってさえいれば、すべて公共の利益に資する活動とは言えません。
こども食堂の名前を使って補助金を不正に取ろうとしていたり、食品衛生をはじめ、子どもの健康と福祉に十分に気をつけなければいけないところをないがしろにしていたり、腹立たしいものも散見されます。
「こども食堂を名乗る取り組み」が広がってほしいのではなくて、目の前にいる子どもたちの「現実」に気づき、寄り添い、課題解決に取り組む活動が広がってほしい。

レインボーリボンという団体を作るきっかけとなった「現実」は、10数年前、PTAの会合に出てきてくれない外国人のお母さん、夜の仕事をしているそのお母さんを待って朝まで一人で留守番をしている小学生の子ども――という「現実」でした。
我々が「困ったお母さんだね」で済ませてしまっていたら、「現実」に気づくことはなかったと思います。

だから、我々はPTAのイノベーション、「PTAを誇り高いボランティア活動に」という団体のミッションにこだわります。子どもたちに最も近い社会教育団体、非営利団体であるPTAが、「こどもの貧困」に向き合い、困難を抱える子どもたちに、そして親たちに寄り添う活動団体となることを追求し続けます。
この活動については、昨年夏に大きな助成金申請に失敗し、しばらく意気消沈していたのですが、1年経ってまた新たな助成申請に挑戦してみようかという意欲が湧いてきました。

申請しようとしている事業は「PTAイノベーション応援サイトを作りたい」というもので、強制加入から任意加入へ、義務的な活動から自由なボランティア活動へ、PTAのあり方を改革している先進事例を紹介したり、改革に向けてポジティブな意見交換ができる投稿版サイトを作りたいと考えています。
そこで、サイト設計の参考にしようと、「Yahoo!知恵袋」を閲覧していたのですが、
https://chiebukuro.yahoo.co.jp/
「聞き捨てならない」というか、見過ごせない質問があって、思わず利用登録して「回答」してしまいました。
高校生から「DMのやりとりが続いている人に顔写真を送ってと言われている。これって危険ですかね?」という質問で、回答者の中には「顔くらいであれば大丈夫」という人もいました。
とんでもない!
「危険です。
グルーミングの可能性があります。
グルーミングとは、最初はあなたと共通の趣味や悩みがあるかのように近づいてきて安心させ、徐々にあなたの個人情報を手に入れ、だんだん「裸の写真を送って」など要求をエスカレートさせる手段です。
要求に応えないと個人情報をネットにさらすぞとか、家族に危害を加えるぞと脅してくることもあります。
ネット上で知り合った人に自分の写真など個人情報を絶対に渡してはいけません。」
と、回答しました。
「ベストアンサー」に選ばれると良いのですが。

思えば10数年前、朝まで1人で留守番をしている子どもの孤独を思って涙したものですが、子どもが「自画撮り」をして知らない相手に送信してしまうスマホの普及なんて予想もできませんでした。
いやいや、スマホの普及はともかく、不適切な養育環境下でトラウマを抱えた子どもが性暴力の被害側にも加害側にもなりやすいという「現実」は昔からあったのでしょう。私たちに見えていなかっただけで。
「現実」に名前がつけられて初めて見えてくることがあります。
「こどもの貧困」という名前がつけられて、その実態が見えてきました。
実態が見えてくると対策も立てられます。前号のメルマガで書いたとおり、6月に成立した「こどもの貧困解消法」では、「貧困により、こどもが適切な養育・教育・医療を受けられないこと、多様な体験の機会が得られないこと、権利利益を害され、社会から孤立することのないよう」、国や自治体、私たち大人が取り組まなくてはならないことがはっきりしました。

ますますPTAの出番じゃないですか?
(代表・緒方美穂子)

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▼YouTubeレインボーリボンの「PTAお助けチャンネル」
「学校との協働――ここまでできる!?PTAの教育ソリューション」
今回は葛飾区立花の木小学校前PTA会長の風巻宏さんにお話を伺いました。

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