レインボーリボン メールマガジン 第142号 外国人差別は「いじめ社会」の鏡です
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■■ レインボーリボン メールマガジン 第142号
■■ 外国人差別は「いじめ社会」の鏡です
2026/1/31
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東京都葛飾区を拠点とするNPO法人レインボーリボンの活動報告、代表の緒方の思いをお伝えするメールマガジンを毎月、月末にお届けしています。
まさかの衆議院解散で、総選挙真っ最中のメルマガ配信となりました。
NPO法人は特定の政党を応援したり、反対したりといったことはできないのですが、「多文化共生の子育ち・子育て環境をつくる」ことをミッションとしているレインボーリボンとしては、外国人差別や排外主義を助長するような主張が支持を得ないように、祈るばかりです。
「日本人ファースト」が叫ばれた昨年の参議院選挙の後、レインボーリボンのフードパントリー利用者から「どうして日本人の困っている人を優先しないで移民の人たちに食料を渡すのでしょうか?」という質問が来て、びっくりしました。
レインボーリボンのフードパントリー利用要件は
① 18才未満の子ども(障がいがある場合は20才まで)を育てている保護者
② 親に頼ることができない18才からおおむね30才までの若者
③ 公的機関等の紹介がある方
④ 難民申請中・仮放免中・避難民など在留資格が不安定で公的制度を利用できない方
以上4点のいずれかにあてはまり、なおかつ経済的に困窮していることです。
日本人だから、移民だから、という理由で優先も排除もしておりません――と、お答えしました。
実際、毎回約60世帯の利用のうち移民(外国人)らしき世帯は2~3世帯、3~5%です。
葛飾区の年少人口に占める外国人の割合は5.5%ですから、ほぼ平均か、少ないくらいです。
それにしても「どうして日本人を優先しないのか」という質問、日本人を優先するのが当たり前だという前提がショックでした。
フードパントリーの利用条件にあてはまっている、つまり困窮している、社会的弱者の立場にある人が、自分は外国人よりは上だと言いたいのでしょうか。
弱い者たちが夕暮れ、さらに弱い者をたたく(THE BLUE HEARTS「TRAIN-TRAIN」)…悲しい構図です。
グローバリゼーションの時代、移民排斥、外国人差別の世論は世界中に広がっています。
アメリカでもヨーロッパでも、経済的に困難を抱えた人ほど「自分たちは取り残されている」「外国人が優遇されている」と感じ、排外主義を掲げる政治、政党を支持しているようです。
日本もそんな社会に向かっているのでしょうか。
レインボーリボンのもう一つの活動の柱、「いじめ防止」は、子どもたちに「自分も相手も大切にするコミュニケーション」を身につけようと呼びかけるものです。
交通安全ルールが交通事故からみんなの命を守るように、人間関係の安全ルールを身につけて、自分の命も、友だちの命も守ろうと。
今月も月末の2週から来月の初め、3週間かけて、千葉県のある公立小学校5年生のクラスに出かけていって「いじめ防止教室」を実施しています。
教室にはいろいろな子がいますが、今まで「いじめ防止教室」を拒否する子どもには出会ったことがありません。
何年か前、「加害者理解」の授業中、廊下に出ていってしまった子がいましたが、やがて教室に戻ってきました。私の想像ですが、自分が加害者として責められるのではないかと思って逃げ出したけれど、廊下で聞いていて、その危険はなさそうだと判断したのだと思います。そして、加害者が加害行為をやめるためにはどうしたら良いかを考えるワークに戻ってきてくれました。
また、前を向いて座っていられない子、机に突っ伏しているような子もよくいますが、そういう子も、「〇〇だと思う人は?」と投げかければ手を挙げたり、「どう思う?」と訊けば「パス(答えられない)」と答えてくれたり、必ず反応してくれます。ちゃんと聞いてくれているのです。
そんな子には、外部講師の私に対しても取り繕えないほどの「疲れ」があるのだろうなと思います。それが家庭での虐待とか、教室でのいじめとか、「暴力」に晒されていることによる疲れなのではないだろうかと心配です。
ある調査によれば、小学4年生から中学3年生までの6年間で、87%の子どもがいじめの被害も加害も経験しています。
「いじめのある世界」に生きている子どもたちに伝えるべきことは、「自分を守る、友だちを守る、いじめをなくすために話し合う」、そのための知識と技術(スキル、トレーニング方法)です。
そして、「いじめのない世界」を一緒に作ろうと呼びかけます。
自分も相手も大切な命。
暴力のない社会で、尊重し合って、折り合いをつけて、安全に、幸せに生きていきましょう。
子どもたちには安全な社会をつくる担い手になってほしい、立派な「市民」に成長してほしいと願っています。
子どもたちは大人の振る舞いをよく見ています。
つらい立場に立たされてしまった時、自分よりも弱い存在を見つけてたたく者となるのか、隣の人と助け合ってより良い社会を作る努力をする人となるのか、子どもたちに誇れる大人の姿を見せたいものです。
(代表・緒方美穂子)
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