レインボーリボンのメールマガジン第54号「子どもの「困りごと」に出会った時、どうしたら良いのか」
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■■ レインボーリボン メールマガジン 第54号
■■ 子どもの「困りごと」に出会った時、どうしたら良いのか
2018/9/30
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急に秋めいてきました。
4月始まりの年度がもう折り返し、後半に入ってしまうのですね。
先月のメルマガに続き、今月も日にちを遡っての活動報告をします。
一昨日のことですが、世田谷区のおしゃれなイタリアンレストラン「ilsoleGao(イルソーレガオ)」に行って来ました。
と言っても、食事をしに行ったのではありません。
「かつしか子ども食堂・居場所づくりネットワーク連続学習会」第1回の講師をお願いしているシェフの辻正博さんと打ち合わせをするためです。
辻さん作のおしゃれで豪華、美味しそうなデコレーションケーキ。実はそれがアレルギー対応で、小麦粉も卵も乳製品も使っていないという、魔法のようなケーキです。
辻さんは「アレルギーの子には使えない食材を訊くのではなくて、使える食材を考えると良いですよ。例えば小麦粉アレルギーの子はカレーを食べられないと考えるのではなくて、小麦粉の入っていないカレー粉を探す。挽肉が使えたらキーマカレーができるじゃないですか。そこにトマトも入れて・・・」と、生き生きと話されます。
辻さんのお話を聞いていると、なるほど料理は創作なんだなあ、人を喜ばせて自分も幸せを感じる、生きる源なんだなあと、妙に納得してしまいます。
こども食堂の安全対策としてアレルギー対応を考えているだけでは湧いてこない、ワクワク感がありました。
さて、「かつしか子ども食堂・居場所づくりネットワーク」がいよいよ本格的に動き出しました。
今月は「かつしか子ども食堂マップ」が完成して、24日に開催された「第4回子ども子育てフェスタかつしか2018」に出展することができました。
そして、オリックス宮内財団様からネットワークに助成金をいただけることになり、来月には冷蔵庫を購入します。
来月開催される区の「産業フェア」に出展するJA東京スマイル様からも、出展後の野菜を寄付してくださるとのお申し出がありました。
冷蔵庫と野菜があれば・・・
フードパントリー(ひとり親家庭の方などが無料で食糧を得られる仕組み)を実験的にやってみても良いかも・・・と、これもワクワク感が広がります。
葛飾区内にまだ9つしかない子ども食堂ですが、子どもの居場所支援や、引きこもりの若者支援を行っている団体とも連携し、とにかくネットワークを立ち上げることができたのは、やはり大きな成果です。いえ、これから大きな成果につなげていかなくては、と思います。
レインボーリボンの3つのこども食堂も、もちろんそれぞれ頑張っております。
実は「あおとこども食堂」が場所を移転することとなり、来月は、現在、提供していただいている青砥駅前店舗スペースでの最後の開催となります。
こども食堂を始めて2年半。
始めるまではドキドキ、ワクワクでした。
始めてからは「参加してくれる子どもが少ない」とか「場所がとれない」とか、運営上の困りごとがいろいろありました。
それらがすべて解決したわけではありませんが、今は自分の困りごとよりも、子どもの困りごとに直面することが増えてきて、行政や専門家の助けを得るために電話をしたり人と会ったり、単なる「地域のおばちゃん」でしかない私が、まるで小説の世界のような「非日常」を過ごしています。
毎日忙しくてたいへんですが、こども食堂をやっていなければ、ある日突然、地域から姿が見えなくなった家族がいたとしても、そうなる前に何の力にもなれず、「あの家たいへんだったらしいよ」という噂の中で眉をひそめるしかなかったのですから、やっぱりこども食堂をやって良かった、こんな私でも困っている家族に関わることができて良かったと思います。
こども食堂「第2ステージ」なのかもしれません。
先月のメルマガでお知らせしましたが、全国版の「こども食堂ネットワーク」はNPO法人化しないことになりました。
全国版のネットワークは首都圏のほんの数軒のこども食堂から始まって、今や全国300の多様なこども食堂がお互いに学び合い、助け合う情報ネットワークに成長しているのですから、やはり「代表」や「規約」を定めるNPO法人という組織形体には馴染まないかもしれません。
全国ネットワークの情報がなかったら、私たちもこども食堂を始めることはできませんでした。
今も、動き出そうとしている人たちにタイムリーに、具体的な情報が必要だということがよく分かるので、我々が全国ネットワークから受けた恩恵を、かつしか子ども食堂ネットワークでは地元に還元していきたいと考えています。
一方、レインボーリボンのたった2年半の経験でもいろいろな事が起こっているわけで、先輩こども食堂の中には「第3ステージ」「第4ステージ」に進んでいるところもあるかもしれません。
こども食堂で子どもの「困りごと」に出会った時、どうやって支援していけばよいのか、どんな方法があるのか、事例発表を聞いて、ともに考える場を持とう――と、首都圏のいくつかのこども食堂実践者が集まって話し合っています。
子どもやその家族の個人情報なので公にはできないけれど、実験的に勉強会を重ね、ゆくゆくは全国のこども食堂の経験を交流し、子どもたちのためによりよい活動ができる財産にしたいよね・・・と。
話題はガラリと変わりますが、今月は区内の小学校で6年生を対象とした「いじめ防止教室」を全3回、4時間の授業時間を使って実施させていただきました。
何と言っても印象深かったのは、第2回。授業時間2時間を使って、「いじめって何?」「いじめっ子ってどんな子?」と、加害者について考えた回です。
いじめとは・・・「なぐる、ける」「悪口」「からかう」「傷つける」「支配する」・・・クラスで出された意見を黒板に板書していきます。
休み時間が終わってもなかなか教室に帰って来ない子がいました。自分の行為が「いじめ」だと気がついたのです。
「いじめっ子ってどんな子?」「なぜいじめをするの?」・・・「裏表がある」「ストレスがある」「もともといじめられていた」「親から暴力を受けている」・・・加害者の背景に「被害」があることを、子どもたちは知っています。
「どうしたらいじめをやめられる?」・・・こちらが用意している答えは「怒りのコントロール」であったり、「ストレス解消」、「信頼できる大人への相談」などです。でも、大事なことは子ども自身が自分で答えを見つけることです。
2時間の授業時間内にスッキリと答えが出せた子は少なかったと思います。でも、自分は加害者だと気づいた子が、考え始めるきっかけになってくれれば良いなと思います。
1ヵ月以内に3回も学校に通っていると、子どもの顔を覚えます。
被害に遭っている子、コントロールのきかない教室の中で不安になっている子、正義感を発揮したいけれど方法が分からなくて躊躇している子の顔が、それぞれに少しずつ上を向いて、笑顔を見せてくれるようになります。
どうせ自分は悪者だと斜めに構えている子も、表現方法は威圧的であったり暴力的であったりしても、「いじめ防止教室」にとても心を揺さぶられている様子が見えます。
心残りは、教室にいない子です。
学校に行けない子には、「こども食堂で待っているよ」と伝えたいと思います。
(代表・緒方美穂子)
▼かつしか子ども食堂・居場所づくりネットワーク連続学習会「こども食堂のいろは――安心安全な居場所づくりをめざして」
【第1回】 11月11日(日)14:00~16:00 「アレルギー対応。しかも安くておいしい料理のレシピ、教えます!」亀有地区センター第3会議室(葛飾区亀有3-26-1リリオ館7階) 講師:辻正博さん
【第2回】11月25日(日)14:00~17:00「こども食堂も子どもたちも地域ネットワークに支えられます。」かつしかエコライフプラザ(葛飾区立石1-9-1) 講師:【他区のこども食堂・行政】石田真理子さん(台東区)、永井万美さん(江東区)、長場美智代さん(足立区)、上坂かおりさん(江戸川区子ども家庭部)
【第3回】12月9日(日)14:00~16:00「けが、アレルギー、感染症、子どもの居場所の危機管理」
【第4回】2019年1月11日(金)18:30~20:30 湯浅誠氏講演会「いま、なぜ『こども食堂』?」
詳しいチラシはこちらでご覧ください↓
http://rainbow-ribbon-net.org/kodomosyokudou/k-k-network1/
【参加申込みフォーム】
【メール・電話 申込み先】
mincafe.kameari@gmail.com
070-2156-9179(みんかふぇ)
▼PTAで活動中のパソコンが苦手なママの強い味方「パソ姫」(株式会社テクネス)
PTAやパソコン操作についての情報が満載の無料サイト
▼レインボーリボンへのご寄付がホームページからもできるようになりました。
http://rainbow-ribbon-net.org/entry/
子どもに提供する1食分の食材費300円を1口として、12口3600円の寄付(こども食堂の1食オーナー)を募っています。
口座名義:特定非営利活動法人レインボーリボン
- 郵便振替口座:00170-7-449974
- りそな銀行 青戸支店(店番号470)普通預金1520535
ご寄付くださった方はお名前、連絡先を下記レインボーリボン宛てにお知らせください。
「レインボーリボンのこども食堂通信」へのご芳名記載の諾否もお知らせいただけますと幸いです。
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弊団体のイベント・講座にご参加いただいた方にお送りしています。
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