レインボーリボン メールマガジン 第60号「できる理由を探して挑戦しなければ、成果は得られない」
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■■ レインボーリボン メールマガジン 第60号
■■ できる理由を探して挑戦しなければ、成果は得られない
2019/3/31
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旅立ちの季節、私も地元の小中学校の卒業式に臨席し、卒業生に贈るたくさんの祝辞を、子どもたちの隣で聞く機会に恵まれました。
中でも心に残ったのは、中学校の卒業式に来賓でいらした近隣小学校の校長先生の言葉です。
「できる理由を探して挑戦しなければ、成果は得られない」
宇宙航空研究開発機構(JAXA)小惑星探査機『はやぶさ』のプロジェクトマネージャー、川口淳一郎さんの言葉だそうです。
4月からの新年度、新たな局面で挑戦していく時、勇気を奮い起こさせてくれる言葉ですね。
3月、レインボーリボンにとっても、「かつしか子ども食堂・居場所づくりネットワーク」にとっても、新たな飛躍に向けたチャンスをいくつも得ることができました。
東日本大震災から8年となった3月11日、「女性のための防災対策等検討委員会」に出席しました。
葛飾区の危機管理課が避難所運営マニュアルに女性の視点を取り入れるなど、防災対策の充実のために設けた検討委員会で、大学教授や区の課長さんたちと並んで、一般区民として参加させていただいています。
この日は、やはり区民として参加されている「防災コミュニティスペースEme-Ima」の葛西優香さんが「こども食堂×防災」というテーマで、こども食堂開催中に災害が発生した場合を想定してのワークショップの計画などを発表され、私からは運営しているこども食堂の様子や、地域コミュニティの新しい萌芽が生まれつつあることをお話させていただきました。
教育、福祉、何事にも「シロウト」を身上としているレインボーリボンですが、防災についても、もちろんシロウトです。
並み居る専門家の皆さんを前に、お話させていただくこと自体おこがましい気もしましたが、大学教授の先生から、発災後は子どもに寄り添う活動のスタートが早ければ早いほど心の傷が深くならずに済むので、普段から子ども支援のプログラムを持っているこども食堂には社会資源として大いに期待したいとのコメントをいただき、平気な顔を装いながらも、実はますます緊張感を高めているところです。
17日には葛飾区社会福祉協議会、地域貢献活動サポートデスク主催の「かつしかでやろう!子ども食堂・居場所作り・学習支援大作戦」と銘打った講座で、NPO法人ハーフタイム、NPO法人Learning for All(ラーニング・フォー・オール:LFA)と共に、活動を始めた経緯、ノウハウなどのお話をさせていただきました。
この横並びも、実態としてはとても恐れ多いもので、ハーフタイムが取り組んでいる子どもの居場所はレインボーリボンのイベント型のこども食堂とは比べようもない、本当に生きづらさを抱えた子どもにとことんつきあうという、24時間365日の「居場所」を作っている活動ですし、LFAはまず団体の規模からしてレインボーリボンと比べたら「象と蟻」くらいの差がある大きな団体です。
私たちレインボーリボンが、3年前に最初のこども食堂「パルこども食堂」をスタートさせることができたのは、この2つの団体の助けがあってこそのことでした。
そんな不釣り合いに立派な2団体を横目に、私が発表した「こども食堂を始めた経緯」の最初のきっかけは、「やってみたかったから」です。
子どもの貧困、虐待、いじめ、自殺・・・。シロウトにはとても手に負えないと思われる重い社会問題が、どうしても頭から離れず、いてもたってもいられなくて、自分にもできそうな「何か」を探して挑戦したのです。そんな「できる理由」を探しているシロウトのおじさん、おばさんは、地域に実はたくさんいるのです。
後日、参加者アンケートを送ってもらったのですが、「葛飾にこの3団体があるのはすごい財産だと思った」というお褒めの言葉もあり、「実際に活動している人の生の声を聞き、とてもやる気になった」「出来るかもしれないという手ごたえを感じた」「また第2回をお願いします」という嬉しい感想もありました。
かつしか子ども食堂ネットワークでは新年度、3ヶ月に1回、このような交流発表会を開き、区内に子ども食堂、子どもの居場所を増やしていきたい、倍増させたいと話し合っています。
そのネットワーク、体制構築と将来のフードパントリー(食糧貯蔵庫)開設を目指して、東京ボランティア・市民活動センター「ゆめ応援ファンド助成」に応募したことを1月のメルマガでお知らせしました。
その助成対象団体決定の日が22日でした。
果たして、我がネットワークの申請は認められました。新年度、約50万円の助成金がいただける見込みです。
助成申請した事業計画は、3年計画です。
1年目にはホームページの開設、葛飾区内の小中学校への広報、3ヶ月に1回の講座開催等、子ども食堂・子どもの居場所の認知度アップ、社会的な信頼醸成を図り、現在10カ所の子ども食堂を倍増させることを目指します。
2年目以降は「子育て応援フードドライブ・フードパントリー」事業を立ち上げ、ネットワークへの食糧食材の安定的な寄付を確保し、必要としている子育て世帯に確実に届ける体制を構築したいと思います。
3年間でそのような体制を作ったら、助成金が終わる4年目以降は、ネットワークから食料を配送するのではなく、各地にたくさん立ち上がった子ども食堂・子どもの居場所が、その地域の子ども、親の安心できる居場所となっていて、すべての子どもが常にお腹も心も満たされている――「家庭環境や発達などに困難を抱える子どもも安心して成長していける、誰も取り残されない地域を作る」ことを目指します。
こんな大風呂敷を広げて、助成金審査に通ってしまって、本当にできるのか、やれるのか・・・心臓がキュッと縮まるような瞬間が何度もあります。
「できる理由を探して挑戦しなければ、成果は得られない」。
すがる思いで「できる理由」を探してみると、目の前に現れるのは子どもたちの笑顔です。
今日、3月31日まで助成金をいただいた東京都福祉保健財団に最終の事業報告をするために、「よみかき宿題こどもカフェ@なぎ」では、子どもたちに自己肯定感アンケートをとりました。
1年前、初めてこども食堂に来た時には一切のコミュニケーションを拒否していたある中学生が、今回のアンケートでは多くの項目に高得点をつけてくれました。中でも「いろいろな人と会いたい、仲良くなりたいと思いますか」という質問には「こども食堂のこと?」と確かめて、最高の「10」をつけてくれました。
この子の笑顔を見ることができた、それが私にとって「できる理由」です。
新年度からも頑張ります!
(代表・緒方美穂子)
▼レインボーリボンへのご寄付がホームページからもできるようになりました。
http://rainbow-ribbon-net.org/entry/
子どもに提供する1食分の食材費300円を1口として、12口3600円の寄付(こども食堂の1食オーナー)を募っています。
口座名義:特定非営利活動法人レインボーリボン
- 郵便振替口座:00170-7-449974
- りそな銀行 青戸支店(店番号470)普通預金1520535
ご寄付くださった方はお名前、連絡先を下記レインボーリボン宛てにお知らせください。
「レインボーリボンのこども食堂通信」へのご芳名記載の諾否もお知らせいただけますと幸いです。