レインボーリボンメールマガジン 第72号 先は見えないけど、目の前の笑顔で元気になれます
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■■ レインボーリボン メールマガジン 第72号
■■ 先は見えないけど、目の前の笑顔で元気になれます
2020/3/31
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毎月月末、レインボーリボンの活動報告と代表・緒方の思いをお届けするメールマガジンです。
安倍首相の突然の一斉休校要請で幕を開けた3月でした。
何の準備もしていないのに、いきなり学校給食のない1ヶ月超。
でも、昨年夏の「夏休みお弁当プロジェクト」の経験はあるし、こども食堂を通じて築いてきた信頼関係もある。
資金はないけど、この非常事態に寄付金で背中を押してくれる方々も。
顔の見える範囲で、お弁当いくつか作って自転車で届けるくらいはできるだろう・・・と。
3月3日、かつしか子ども食堂・居場所づくりネットワーク運営委員会で「私、お弁当作って届けるつもり」と宣言したところ、「私も作るよ」「配達、手伝う」と手が挙がり、「あ、じゃ、みんなでやろうか」ということになりました。
3月4日に「お弁当、届けましょうか?」といくつかの家庭に声をかけ、5日から2家庭6食、子どもの居場所運営スタッフの分も含め10個のお弁当を自転車で配り始めました。
翌日も10食、自転車。
2日間ともものすごい強風で、転ぶまいと頑張った結果、腱鞘炎のような症状に。
ニーズは10食にとどまらないし、困っていたところ、葛飾区内で障がい者の就労・生活支援事業を幅広く展開している社会福祉法人原町成年寮の給食施設を統括している方から救いの手が差し伸べられました。
お弁当を無料で提供してくださるというのです。
車の運転ができる仲間に交代で配送ボランティアもお願いできました。
翌週の9日には6家庭15食、それから平日は20食前後を車で配達する毎日となりました。
当初は本来の春休みが始まるまで、3月19日までの緊急プロジェクトというつもりでしたが、世の中の緊張感が高まる中でお弁当を届けている家庭に少しでも安心してもらいたくて、「27日まで延長」「31日まで延長」と小出しにしながら、結局、4月10日まで延長することにしました。
お弁当を提供してくれる施設の方にも、車を出してくれる仲間にも無理をお願いすることになり心苦しい限りでしたが、幸運にも、19日には赤い羽根「臨時休校中の子どもと家族を支えよう 緊急支援活動助成事業」に採択していただき、22日には「真如苑 こども食堂等活動支援助成」が決定し、2件合わせて19万円の助成金をいただけることになりました。
これでお弁当代、ガソリン代をなんとか賄うことができます。
困っていると助けてもらえるものだなあ・・・と、とても嬉しく、安心しました。
この感覚、安心できる気持ちの良さ、世の中への信頼感を、お弁当プロジェクトは子どもたちと家族に届けていると思います。
自転車で走り始めた3月5日、あるお母さんは「お弁当はいりません。大丈夫です」と言っていました。でも、その様子はとても大丈夫には見えず、「降ろせる荷物は降ろしましょうよ」と説得して、何とかお弁当を受け取ってもらえるように、何日かかけて提供できる体制を整えました。
その過程で、その方がものすごく大きな不安、誰にも助けてもらえない「見捨てられている」ような感覚を抱えているのだということに気がつきました。
こども食堂でつながっているだけでは分からないことでした。
このピンチによって気づけたことは良かったと思います。これから気をつけて支援していこうと思いました。
また、あるお母さんは毎日お弁当を届けているうちに、こわばっていた表情が少しずつほぐれて、プロジェクト延長を伝えると「ありがとうございます。よろしくお願いします」と明るく言ってくれるまでにコミュニケーションが深まりました。
家でひとりで過ごしている小学4年生の子に「4月10日まで延長」と伝えると、「4月6日からは学校が始まるから・・・」と複雑な表情。
「そうだね。学校が始まったらもう来ないよ」と、こちらも複雑でした。
予定どおり学校が再開してお友だちと遊べるといいね・・・と思いながら、お弁当を渡しながら交わすちょっとした会話ができなくなるのが寂しかったり・・・。
こども食堂も大勢が集まって食事をすることは自粛し、換気消毒を徹底した上で少人数、短時間で、学習支援と遊び、お弁当持ち帰りの変則開催としました。
それも25日の小池都知事の緊急会見を受けて、28日のパルこども食堂は中止。
4月4日の「よみかき宿題こどもカフェ@なぎ」も中止です。
先が見えない状況ですが、いま目の前にいる子ども、お母さんの顔は見えます。
お弁当を配っているとなぜか元気になれます。
(代表・緒方美穂子)
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