子どもの命を守る「事前準備」を
またしても、衝撃的な事件が起きてしまいました。大阪府寝屋川市の中学生2人の命が奪われました。
被害者が日常的に一晩中、街を徘徊していたという事件の背景から、「もっと大人が子どもを守る手段はないのか」と、歯がゆい思いをかみしめている人が多いと思います。
明日は防災の日。命を守るために何が必要なのか、考えるチャンスです。
しかし皮肉なことに、命を守るための防災の日は、子どもの自殺が最も多い日であることが内閣府の調査でわかりました。
1972年から2013年の42年間に自殺した18歳以下の子どもの総数は1万8048人。長期休みの終わりが近づくと自殺者が増える傾向があり、特に9月1日が131人、9月2日は94人、8月31日は92人で、夏休み明け前後が突出しているということです。
この調査結果を受けて、不登校の子どもを受け容れるフリースクール「東京シューレ」の奥地圭子さんたちが緊急記者会見を開き、「学校は命をかけてまで通うところではない」と訴えています。
(不登校新聞 緊急号外より ↓)
http://futoko.publishers.fm/article/9139/
鎌倉市立図書館が「学校が死ぬほどつらい子は、学校を休んで図書館へいらっしゃい」とツイートし、10万件以上のリツイートがあったそうです。
学校が子どもの昼間の「居場所」になれないのであれば、図書館が「安全な居場所」として子どもを受け容れてくれることを、歓迎したいです。
寝屋川で夜の街をさまよっていた中学生にも、どこか安全な居場所があれば良かったと思います。被害者の親を責めたくはありませんが、子どもが朝まで家に帰りたくない家庭は、子どもにとって安全な居場所ではなかったのかもしれません。
いま、学校でも街でも、悲しいことに時には家庭であっても、子どもの命が危険にさらされている現実を前に、私たちは何を、どうしたら良いのでしょうか。
ケースバイケースであり、「正解」やマニュアルはありません。
でも、ケースバイケースで、一生懸命考えましょう。
先月、兵庫県加古川市で地域ぐるみの防災活動を実践している大西賞典さんの講演を聞く機会があり、こんな印象的な言葉がありました。
「何のために防災をするのか?
避難誘導、応急処置、避難所運営、炊き出し等々、これらは災害発生後の事後処理活動。生き残った人が助け合うシステム。
死なないための事前準備こそが本当の防災活動だ。
自分の大切な人を守り続けるために防災をするのだ」。
「死なないための事前準備」とは、例えば、「ご近所のあいさつ」。
地域に温かいコミュニティ、居場所があれば、命を落とさずに済むのです。大切な家族を守ることもできるのです。
大西さんの講演を聞いて、「防災」は「子育て」とか「街づくり」と同じだなと思いました(^^)。
防災の日は、死なないための事前準備を、何かひとつでもしてみませんか?