レインボーリボンのメールマガジン第51号「我々は何のために活動するのか」
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■■ レインボーリボン メールマガジン 第51号
■■ 我々は何のために活動をするのか――原点を見失わずに
2018/6/30
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こんにちは。代表の緒方です。
国の内外で大きなニュースがあった激動の6月。
レインボーリボンも3つの活動分野それぞれに大きな取り組みが重なり、嵐のような6月でした。
まずはPTAイノベーション。
6月9日、江東区の小中学校PTA基礎研修で広報分科会の講師役を仰せつかり、江東区文化センターの立派なホールで約80人の研修、グループワークを行ってきました。
江東区のPTA広報紙はどの学校もとてもレベルが高いので、文章の書き方や写真の撮り方など、基礎的な研修ではなく、「何のためにPTA広報紙を作るのか」「我々のミッションは何か」という、ズバリ、PTAイノベーションに向かう内容で進めました。
私からは3つの法律――いじめ防止対策推進法、子どもの貧困対策推進法、教育機会確保法――を題材として、いま、子どもたちが直面している「生きづらさ」についてお話しました。
その後、6人ずつのグループワークで、PTA広報の特集記事について話し合う、模擬企画会議を行いました。
参加者がこの研修から何かを得て満足してもらえたのかどうか、まだアンケート集計結果をいただいていないので分かりませんが、終了後の皆さんの晴れやかな笑顔、意欲的な眼差しに触れて、この人たちがこれから各学校で子どもの幸せのために頑張ってくれる大人たちなんだなあと、頼もしく感じました。
レインボーリボンの2つめの活動分野、「いじめ防止」でも大きな動きがありました。
まず、3月のメルマガでお伝えした、葛飾区いじめ調査委員会(第三者委員会)の最終報告書についてです。
2014年4月の中学3年生男子生徒の自殺について、翌年11月に教育委員会が「死因は事故ではなく、自殺」「いじめと評価しうる行為」と、それまでの見解を改めたにも関わらず、2016年4月に発足した第三者委員会が「いじめを原因とした自死ではない」と結論づける、異例の展開でした。
これについて葛飾区長が6月7日の定例会見で改めて「いじめがあった」との見解を示し、「生徒が亡くなった事実を重く受け止め、再発防止に努めたい」と表明しました。
亡くなった子どもは戻っては来ませんが、少なくとも今後、悲劇を繰り返さないために努力する、当たり前の、私たちの責任です。
折りしも今月中旬から来月中旬にかけて、地元の中学校でレインボーリボンの「いじめ防止教室」全3回の授業が始まっています。
1回めの授業では「気持ちの表現ワーク」というアンケート用紙を生徒に渡し、「いじめられた時」「いじめられるのを見ていた時」「いじめた時」のそれぞれの「気持ち」を書いてもらい、2回目の授業冒頭で私が読み上げます。誰が書いたか分からないように、「気持ち」の部分だけパソコンで書き写すのですが、生徒一人ひとりの肉筆で「つらい」「悲しい」「生きていても仕方ない」という言葉を突きつけられると、涙が出てきてしまいます。
2015年の内閣府「子ども・若者白書」によれば「H19年度の小学4年生が中学3年生になるまでの6年間で一度もいじめ被害を受けたことのない子は13%、加害者にならなかった子は12・7%」とあります。実に87%の子どもがいじめの被害も加害も経験しているのです。
我々の「いじめ防止教室」がベストだとは言いません。しかし、いじめがエスカレートする前に、暴力の輪がまだ小さいうちに、気持ちを表現しよう、怖い時は逃げよう、自分も相手も大切にするコミュニケーションの方法を身につけよう――と呼びかける機会を、私たちに与えてほしいのです。
今月は、区議会議員さんを通じて行政側にも陳情しました。
最後に、3つめの活動分野、こども食堂です。
3つの拠点のうち、6月で6回めの開催となった「よみかき宿題こどもカフェ@なぎ」はまだまだ来てくれる子どもの数も少なく、学習支援の方法も試行錯誤の連続ですが、他の2つのこども食堂は今や毎回、参加人数が予想を上回り、ボランティアスタッフは食事にありつけないという嬉しい悲鳴をあげています。
地元での認知度が上がっているのと同時に、外に向かってのネットワーク作りも徐々に形が見えてきました。
つい昨日のことですが、「かつしか子ども食堂・居場所づくりネットワーク」の仲間で、区内のこども食堂マップを作ろうという作戦会議を開きました。区の助成金制度がこの4月から動き始めたため、今まで7カ所だったこども食堂が、いっきに12、3カ所に増えそうです。新しい出会いがあって嬉しいです。
「よみかき宿題こどもカフェ@なぎ」を立ち上げるにあたって多額の助成金をいただいている東京都福祉保健財団の成果報告会が、16日新宿で、19日立川で開催され、両日ともブース出展させていただきました。同じ助成を受けている団体、今年度新たに申請しようとしている団体など、たくさんの仲間との出会い、発見がありました。今後のための大きなヒントもあり、本当にありがたい機会でした。
近隣区のこども食堂の運営者、数人の仲間が時々集まる機会もあります。今月初め、某区の某ファミレスで5時間半しゃべり続けた4人も、そんな集まりでした。悩みを聞いてもらったり、逆にこんな私でもアドバイスできることがあったり、モチベーションアップにつながる貴重な情報交換の場です。
こんな風に毎日忙しく動き回った6月でしたが、ずっと重低音のように心の底で鳴り続けていたのは、目黒区で5歳の女の子が虐待死した事件でした。
死亡したのは3月でしたが、今月の初め、「もうおねがい ゆるして」などと書かれたノートの存在をマスコミが大きく取り上げました。
食事を与えない、外出させないという「ネグレクト」の面と、朝4時からひらがなの練習をさせる、遊びを禁じるという「過干渉・教育虐待」の面とがあり、この事件をどう分析したら良いのか、私には分かりません。ただ、確かなのは、父親が子どもの人権と命を自分の物のように支配し、踏みにじったということです。
「悔しい」という気持ちを抱えて、「我々は何のためにこの活動をするのか」、いつも原点を見失わずに、来月も頑張ります。
(代表 緒方美穂子)
▼前川喜平さん(前文部科学省事務次官)講演会「子どもの学ぶ権利とは」
主催:かつしか子ども若者応援ネットワーク、協力:かつしか子ども食堂・居場所づくりネットワーク
9月8日(土)午前10:00~12:00
亀有地区センター(葛飾区亀有3-26-1)ホール 参加費500円 当日会場受付
https://www.facebook.com/events/856199551239187/
▼PTAで活動中のパソコンが苦手なママの強い味方「パソ姫」(株式会社テクネス)
PTAやパソコン操作についての情報が満載の無料サイト
▼子どもの性被害相談アプリ「ne-ne(ねーね)」(NPO法人ライトハウス)
このアプリからマンガ「Blue Heartブルー・ハート」の電子版を読むこともできます。
女の子も男の子も、匿名での相談も可能。
相談アプリne-ne:https://s.lhj.jp
▼レインボーリボンへのご寄付がホームページからもできるようになりました。
トップページから「支援の方法」ページにお進みください。
引き続き、子どもに提供する1食分の食材費300円を1口として、12口3600円の寄付(こども食堂の1食オーナー)も募っています。
口座名義:特定非営利活動法人レインボーリボン
- 郵便振替口座:00170-7-449974
- りそな銀行 青戸支店(店番号470)普通預金1520535
ご寄付くださった方はお名前、連絡先を下記レインボーリボン宛てにお知らせください。
「レインボーリボンのこども食堂通信」へのご芳名記載の諾否もお知らせいただけますと幸いです。