レインボーリボンメールマガジン第23号「葛飾で「子ども食堂」をつくりたい」

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■■  レインボーリボン メールマガジン 第23号
■■   葛飾で「子ども食堂」をつくりたい

2016/2/29
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

こんにちは(^^)代表の緒方です。

「かつしか区民大学 いのちの居場所を求めて――子ども支援ボランティア講座」全5回が終わりました。

第1回、第2回の様子を前号のメルマガで紹介したところ、講座参加者から「プリントアウトしていいですか?仕事を休んで来ているので、こういう講座に参加していると職場に報告したい」と言っていただけました。

平日日中、ボランティア活動ができるシニア世代をターゲットとした企画だったのですが、子ども関連のお仕事をされている方や赤ちゃんを抱いた方など、幅広い層のたくさんの方が5週に渡った連続講座に通って来られたのでした。

第3回は「学校が苦しい――フリースクールで育つ子どもたち」と題して、NPO法人東京シューレ理事長、東京シューレ葛飾中学校校長の奥地圭子さんを講師にお迎えしました。

奥地さんが1985年に設立した東京シューレは、不登校の子どもたちの居場所「フリースクール」の草分け的存在です。

私事ですが、うちの子が中1の頃、「頭が痛い」「お腹が痛い」と言っては学校を休みがちになったとき、奥地さんの本を読んでいた私は「ここで親が『ちゃんと学校に行きなさい』と言ったら子どもは居場所を失ってしまう」と理解していたので、「仮病でしょ!」と言いたい気持ちをグッと我慢していました。

やがて娘は自ら登校するようになりましたが、やはり「学校は行かねばならない」「行って当然」という通念が私の中にもドッシリと根を下ろしていたな・・・と、今回、改めて奥地さんのお話を聞いて、反省しました。

学校は必要です。

でも、何らかの理由で疲れきってしまった子や、理由ははっきりしないけれど学校には適応できない子どももいて、その子たちは自分の存在をまるごと受け止めてくれる居場所さえあれば、学校に行かなくても、ちゃんと育つのです。

学校だけがただ一つの教育の場ではない、多様な学びの機会、その子にあったサポートを、子ども中心につくっていこうというのが、シューレの一貫した姿勢です。

東京シューレ総合ホームページ

http://www.tokyoshure.jp/

第4回は「居場所を求めて危険に近づく子どもたち」というテーマで、NPO法人BONDプロジェクトの橘ジュンさん、パートナーのKENさん、2人を講師に迎えました。

BONDプロジェクトは渋谷を中心に、夜の街を放浪する少女たちの声に耳を傾け、時には虐待から逃れてきた子どもの保護、人身取引の被害者救出に取り組んでいるNPOです。

義父から暴力を受けながら、お母さんが再婚した相手だから、お母さんを悲しませたくないから黙っているという少女。母親から「あなたは失敗作だ」と言われ、「死にたい」と思っている少女。家出して、街でスカウトに声をかけられ、監禁された部屋から隙を見つけてBONDに助けを求めてきた少女・・・。

参加者からは「居場所のない子どもたちの実情は知らなかった面が多く、驚いている」といった率直な感想や、「BONDのような活動を制度化できれば」など、生きづらさを抱えた子どもに寄り添う相談事業や、犯罪組織からの救出活動の必要性、重要性を指摘する声が寄せられました。

NPO法人BONDプロジェクト ホームページ

http://bondproject.jp/

そして最終回、第5回は「子どもの貧困と葛飾の『居場所』をつくる取り組み」。

講師の石原啓子さんは葛飾区の生活保護ケースワーカーとして22年の経験を持ち、現在は「次世代育成支援団体ハーフタイム」で貧困世帯の子どもたちへの無料学習支援、居場所づくりに取り組んでいます。

貧困とは単にお金がないというだけの問題ではなく、虐待や家庭内暴力、病気、障害など様々な背景を抱えた人が、親類や友人などのサポートも得られない、繋がりが断たれた状態で、「人間はこういう状態に耐えられない」と石原さんは言います。

子ども時代の貧困は低学力→中卒、高校中退→非正規労働、ニート→不安定収入・・・と、大人になってからも持続、連鎖する可能性が高いのです。その連鎖を断ち切ることを目的に「ハーフタイム」は2010年、ケースワーカーが中心になって設立されました。

ハーフタイム ホームページ

http://halftime2010.wix.com/halftime

私は区役所の職員がこういう活動をしているということにとても感動したのですが、今回の連続講座には実は多くの職員さんたちが研修として参加されていて、逆に「区民の皆さんの熱心さに感動しています」と言ってくださいました。

最終回の後半は参加者が子ども支援のあり方について話し合うグループワークとしました。

どのグループも熱のこもった話し合いだったようですが、中でも「子ども食堂オープンに向けて」をテーマとしたグループでは、「給食の仕事をしているので調理だったらできる」「少しずつ寄付を出せると思う」「場所くらい提供できる」などなど、区の職員が「社会資本となっていただける区民の皆さんと福祉行政をつなげていきたい」と言ってくれたとおり、参加者一人ひとりが「社会資本(ソーシャルキャピトル)」として際立っていました。

いま、私の手もとには子ども食堂に協力を申し出てくれた20人の名簿があります。

この宝をどう生かすのか。持続して、支援を必要としている子どもにきちんと支援を届けることのできる仕組みを何とか作らなくては・・・。

必死に考えているところです。

(代表 緒方美穂子)

▼3月10日(木)、葛飾区立青葉中学校でNPO法人湘南DVサポートセンターの瀧田信之代表理事を迎え、「いじめ防止教室」を開催します。中学1年生向けのいじめ防止プログラム体験授業です。授業後、見学者向けにレインボーリボンのいじめ防止に関するプレゼンテーションも行います。どうぞお気軽にお越しください。事前にご連絡いただけると幸いです。

▼オンライン署名サイトChange.orgで『全国の小中学校PTAの皆さんへ いじめ防止対策推進法第15条2項を実行しましょう。いじめのない学校をつくろう!』署名運動を行っています。

https://www.change.org/ja

にアクセスし、右上「検索」ボタンから半角英字「PTA」で検索してください。ご賛同、拡散をよろしくお願いいたします。

▼人身取引の被害者支援団体NPO法人ライトハウスの相談アプリ「ne-ne(ねーね)」が公開されました。このアプリからマンガ「Blue Heart~ブルー・ハート~」の電子版を読むこともできます。マンガを読んで、「自分もこういうことを経験したけど、誰にも言えずにいる。相談していいことなのかもわからない」という人がいたら、女の子も男の子も、ライトハウスに相談してください。 匿名での相談も可能です。身近にいる子どもや若者たちにこのアプリをご紹介ください。

相談アプリne-ne:https://s.lhj.jp

▼レインボーリボンのホームページ
http://rainbow-ribbon-net.org

====================

このメールマガジンは、NPO法人レインボーリボン代表・緒方美穂子はじめ、スタッフと名刺交換させていただいた方、弊団体のイベント・講座にご参加いただいた方にお送りしています。

レインボーリボンの活動へのご意見をお寄せください!
⇒ rainbow_ribbon_mail@yahoo.co.jp
(メール配信の停止・アドレスの変更などもこちらまで)

====================