レインボーリボンメールマガジン第29号「子どもは親の所有物ではなく地域の宝物」
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■■ レインボーリボン メールマガジン 第29号
■■ 子どもは親の所有物ではなく地域の宝物
2016/8/31
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多くの学校が明日から新学期ですね。
夏休み明けの9月1日は子どもの自殺が最も多い日だという統計結果が昨年発表され(内閣府「自殺対策白書」)、なかなか明るい気持ちでは迎えられない日となってしまいました。
しかも、8月は終盤になって子どもの命が奪われる大きな事件が相次いで起きました。
埼玉県東松山市の河川敷で16歳の少年の遺体が見つかった事件。
その一報を伝えた8月24日の新聞紙面は、千葉県で10代の女性が次々と刺された事件、俳優が強姦致傷の疑いで逮捕された事件・・・と、ショッキングな見出しが並びました。
その横で小さな記事となったのは、名古屋市で21日、小学6年生の男の子が包丁で胸を刺されて死亡した事件で、殺人容疑で逮捕送検された父親の供述でした。
父親は自らが卒業した私立中学へ進学するよう息子に勧めていたのですが、昨年末頃から期待通りに勉強しないことに腹を立てていたと。
期待通りに勉強しないから殺してしまった。
この記事を読んで思い出したのは、ある地域の「地区だより」で読んだ「子ども会に入ろう」という文章でした。
「皆さん、臼と杵でついたお餅を食べたことはありますか?」という問いから始まるこの一文は、子ども会の行事が子どもたちに豊かな文化を体験させていることをアピールし、「親である私自身も子ども会に入って活動することによって、当たり前ですが子どもは親の所有物ではなく地域の宝物で、たくさんの方々に守られているということ、また、自分もそのようにして育てられてきたのだなあと実感することができました」と書いています。
ドキッとしたのは、まさに我が子の中学受験期、親である自分は「優秀な子ども」という所有物を手に入れるために、冬は餅つき、夏はスイカ割りといった楽しい「文化」や、地域で宝物のように可愛がられる「子ども時代」という大切な体験を我が子から奪っていたのではないか・・・という自責の念でした。
うちの子は私に似てのんびり屋で、ハングリー精神を前面に打ち出した受験塾には向いていなかったのに、親の見栄のために勉強を強制していた気がします。
のんびり、ゆっくりだけど何事にも丁寧に取り組む、我が子のいいところ、ありのままの姿をちゃんと見て、受け容れてあげれば良かった・・・。
殺してしまうというのは「虐待」の最たるものですが、期待通りに勉強しないと怒鳴ったり、無理やり勉強させたりという行為も立派な「虐待」です。
「こども食堂」の開設・運営に絡んで「子どもの居場所」「子ども支援・親支援」「子どもの権利」について勉強していると、自分の子育てについては反省することばかりです。
自分の価値観の枠を子どもに押しつけようと必死になってしまう「親」という立場からは一歩離れて、こども食堂では地域の「おせっかいおばさん」として、子どものどんな姿でも温かく見守り、受け容れてあげられる存在になりたいなと思っています。そして、地域の宝物として可愛がってあげたい。
レインボーリボンは「パルこども食堂」に続くもう1つの居場所、「あおとこども食堂」立ち上げのために話し合いを始めたところです。
19日には新宿区の男女共同参画推進センターで、レインボーリボンとは比べものにならないほど権威ある女性団体の皆さんを前に、「こども食堂をやってみた!」と題して(怖いもの知らずにも)講演してきました。
こんな私が講師に呼ばれるほど、こども食堂は今やムーブメントになっているのですね。
学校や家庭で「ありのままの自分」でいられない子どもたちのために、地域に多様な居場所がどんどん生まれてくるといいなあ。
・・・と、私が良い気分になっていた8月19日、青森県東北町で中学1年生の男子が自殺したのでした。25日には、青森県藤崎町の中学2年生女子が列車にはねられて死亡しました。両事件とも「いじめ自殺」だったと報道されています。
レインボーリボンは今月初め、「いじめ防止指導者養成講座」を実施しました。
講師の瀧田信之先生(NPO法人湘南DVサポートセンター代表理事)が開発した「いじめ防止プログラム」では、「暴力はエスカレートする」ということ、加害者は加害者自身が「ありのままの自分」を否定される何らかの「暴力(虐待)」を受けている可能性が高いことを学びます。中学生に「自分は自分のままで素敵」ということも伝えます。
私たちの小さな活動が、親が子どもを殺さない社会、子どもが自殺しない社会の実現のために少しでも役立てるといいな。明日、どうか子どもが自殺しませんように!
(代表 緒方美穂子)
▼夏休み明け、子どもの「いのち」を守るために 東京シューレ動画メッセージ
https://www.youtube.com/channel/UCAI48tLcVKr_iRH060Sp7-A
東京シューレ 電話相談 03-6680-8094 毎週木曜夜6~8時
▼毎月300円(年3600円)でこども食堂の1食オーナーになりませんか?
子どもに提供する1食分の食材費300円を1口として、寄付を募っています。
口座名義:特定非営利活動法人レインボーリボン ●郵便振替口座:00170-7-449974 ●りそな銀行 青戸支店(店番号470)普通預金1520535
ご寄付くださった方はお名前、連絡先を下記レインボーリボン宛てにお知らせください。
▼オンライン署名サイトChange.orgで『全国の小中学校PTAの皆さんへ いじめ防止対策推進法第15条2項を実行しましょう。いじめのない学校をつくろう!』署名運動を行っています。
にアクセスし、右上「検索」ボタンから半角英字「PTA」で検索してください。ご賛同、拡散をよろしくお願いいたします。
▼人身取引の被害者支援団体NPO法人ライトハウスの相談アプリ「ne-ne(ねーね)」が公開されました。このアプリからマンガ「Blue Heartブルー・ハート」の電子版を読むこともできます。マンガを読んで、「自分もこういうことを経験したけど、誰にも言えずにいる。相談していいことなのかもわからない」という人がいたら、女の子も男の子も、ライトハウスに相談してください。 匿名での相談も可能です。身近にいる子どもや若者たちにこのアプリをご紹介ください。
相談アプリne-ne:https://s.lhj.jp
▼レインボーリボンのホームページ
http://rainbow-ribbon-net.org
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このメールマガジンは、NPO法人レインボーリボン代表・緒方美穂子はじめ、スタッフと名刺交換させていただいた方、弊団体のイベント・講座にご参加いただいた方にお送りしています。
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