レインボーリボンメールマガジン第40号「夏の始まりは「いじめ防止」です」

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■■  レインボーリボン メールマガジン 第40号
■■   夏の始まりは「いじめ防止」です

2017/7/31
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「7月18日、ここから何十キロも離れた病院に緊急措置入院しました。楽しいはずの夏休み、息子は個室病棟にいます」。

4年前に聞いた、あるお父さんの言葉がこの時期になると甦ります。

中学の体育館で開かれた緊急保護者会でした。

どんな「いじめ」があったのか、被害生徒はどんな症状で、ご家族はどんな影響を受けているのか、事態があまりにも深刻になってしまってから聞く話に、その場は凍りつきました。何人ものお母さん、お父さんが泣いていました。

4年前、2013年。6月に「いじめ防止対策推進法」が成立し、9月に施行された年です。

彼に対するいじめは2012年の夏から始まり、秋になってご両親の知るところとなりました。学年が上がってからPTSD(心的外傷後ストレス症候群)の症状が悪化し、3ヶ月の長期入院となったのです。

「いじめ防止対策推進法」が制定される大きなきっかけとなったのは、2011年10月、滋賀県大津市の中学2年生の少年がいじめのために自殺に追い込まれた事件でした。翌年の2012年、連日テレビがこの問題を取り上げ、学校や教育委員会の隠ぺい体質が大きな批判を浴びていました。

2012年7月、私は夏休み前の保護者会で、学校にいじめ問題に対応するようお願いしたいと発言し、校長は対応していくと応えていました。後から考えると彼のPTSDの原因となったいじめが現に進行している最中、なんと呑気な話をしていたのでしょうか。

今年、4年越しの念願が叶い、中学1年生対象の「いじめ防止教室」を実施させてもらいました。

1年生の道徳の時間を3時間、レインボーリボンに任せていただきました。

1時間目は「自分を守る」ことを意識した授業です。

まずは自分の気持ちを表現する。今日の気持ちは「晴れ」「曇り」「雨」「雷」どれかな?

どの気持ちも大切な「自分の気持ち」だよ。無視しないでね。

でも、「怒り」には6秒で消える怒りと、6秒たっても消えない怒りがあるよ。6秒後に消える怒りは、6秒待とう。消えない怒りの気持ちは、誰かに話そう。

次に、自分が安心できる相手との距離、「境界」を知る。

境界を侵されそうになったら「ストップ」と声に出し、手の平を相手に向けて態度で示そう。それでも相手が境界を侵して来たら、逃げる!

スクールカウンセラーにも授業に来ていただき、相談することの大切さを訴えました。

2時間目はいじめって何だろう、加害者はどんな子だろうと考えます。

中学生がイメージするいじめは「暴力」「仲間はずれ」「集団対1」「恐喝」「万引きをさせる」など深刻な事例も、「無視」「舌打ち」「(蔑み)笑う」「SNSで悪口」といった身近な友だちの振る舞いもあります。

加害者のイメージを出してもらうと「怖い人」「ムキムキ」「ジャイアン」などなど。

ジャイアンはテレビの30分番組では理由もなくのび太を殴るいじめっ子だけど、2時間の映画の中では人情に厚い正義の味方になるよね?どうして?映画では複雑なストーリーが描けるから。ジャイアンの背景が描けるから。

加害者の背景には何があるんだろう。なぜ、いじめをするの?

子どもたちの口から出る意見は「ストレス」です。

ストレス解消のために、いじめじゃなくて、何をしたらいい?スポーツ?音楽?

3時間目は、いじめの傍観者にならないために、自分を守りながら、被害者にどう寄り添うのかを考えます。

もう一つ、自分も相手も大切にするコミュニケーション方法を考えます。

自分の「嫌だな」「やめてほしいな」という気持ちを我慢するのではなく、相手を暴力的に攻撃するのでもなく、「私は嫌です」「やめてください」と丁寧な言葉にするトレーニングもします。

被害者、加害者、傍観者、どこかの立場に立った子どもが「行動を変える」ことで「いじめ」はなくせるのです。

4年前の夏、あの緊急保護者会がなぜ開かれたのかといえば、被害生徒が「3ヶ月も学校に行かないと、みんな僕がサボっていると思う。事実をきちんと話してほしい」と訴えたからです。

彼はPTSDになるほど我慢してしまったけれど、病気を克服するために入院し、その後、退院して中学を卒業し、今は高校生になっています。彼が頑張ってくれたから、今も頑張っているから、レインボーリボンはいじめ防止活動に取り組むことができます。

私たちは子どもの「生きる力」に支えられて、前を向いて歩いていくことができます。

本当にありがとう。

(代表 緒方美穂子)

▼一緒に「こども食堂」やってみませんか!~こどもたちの笑顔に出会うために~

9月2日(土)13時30分~16時30分 葛飾区亀有地区センター第1会議室 無料

レインボーリボン代表の緒方がこども食堂をどのように立ち上げたのか、子どもと接して感じることなどをお話します。第2部はこども食堂の運営者と参加者の交流会

申込・問合せ:葛飾区社会福祉協議会 地域貢献活動サポートデスク

申込フォーム:https://ssl.form-mailer.jp/fms/9f36c0c6464024

▼子どもの性被害相談アプリ「ne-ne(ねーね)」(NPO法人ライトハウス)

このアプリからマンガ「Blue Heartブルー・ハート」の電子版を読むこともできます。

女の子も男の子も、匿名での相談も可能。

相談アプリne-ne:https://s.lhj.jp

▼レインボーリボンでは子どもに提供する1食分の食材費300円を1口として、年間12口3600円の寄付(こども食堂の1食オーナー)を募っています。

口座名義:特定非営利活動法人レインボーリボン

●郵便振替口座:00170-7-449974

●りそな銀行 青戸支店(店番号470)普通預金1520535

ご寄付くださった方はお名前、連絡先を下記レインボーリボン宛てにお知らせください。

▼レインボーリボンのホームページ
http://rainbow-ribbon-net.org

このメールマガジンは、代表の緒方はじめ、スタッフと名刺交換させていただいた方、

弊団体のイベント・講座にご参加いただいた方にお送りしています。

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