レインボーリボンメールマガジン第43号「お母さんの心のドアをノックしたいのです。」

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■■  レインボーリボン メールマガジン 第43号
■■   お母さんの心のドアをノックしたいのです。

2017/10/31
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嵐のような総選挙が終わりましたね。実際、投票日前後は全国的に台風でした。

大勝した政党にも浮かれた顔がなかったことが特徴的な選挙でした。それに、こんな悪天候の中でも前回以上の投票率でした。期日前投票に列をなすほど、国民の参画の意欲が強く示された選挙でした。

レインボーリボンも、さざ波程度の影響力ではありますが、社会的責任を果たすべく変化の時期を迎えていると、前号メルマガでお伝えしました。

12月2日、新たに3つめのこども食堂を立ち上げることにしました。

その名も「よみかき宿題こどもカフェ@なぎ」です。

この事業を立ち上げるために、公益財団法人東京都福祉保健財団の「東京子育て応援事業」の助成金を受けられるかどうか、10月初旬にわかるはずだったのですが、審査結果の連絡がきたのはなんと今日、31日でした。

約200万円の助成を受けられることになり、「こどもカフェ@なぎ」は来年度4月から、毎週開催、しかも学習支援の学生ボランティアに交通費を出せる体制になります!

大喜び・・・というよりは、やはり身の引き締まる思いです。社会的責任を果たすべく、頑張っていこうと思います。

書類審査を通過し、総合審査に臨んだのが先週のことです。

会計担当のスタッフが付き添ってくれたのが心の支えでしたが、審査員の皆さんを前に、超緊張のプレゼンテーションを行ってきました。

様々な質問をしていただきましたが、中でも、「なるほど、このために私はこの事業をやりたかったのだ」と自分を納得させてくれた質問がありました。

その審査員は質問が2点あるとおっしゃって、「寄付がたくさん集まっているので事業を拡大させたいという前向きな理由だが、なぜ、現在やっている2つのこども食堂を拡充させる方向ではなく、新規の事業を立ち上げるのか」、「『なぎ』は精神障がいのある人の支援センターということだが、偶然その場所になったのか」と訊いてくださいました。

1つめの質問への答えは、それぞれのこども食堂が対象としているターゲットが、少しずつ違うということです。

「パルこども食堂」は、先輩NPOが学習支援を行っている場に参加している中学生を対象に、私たちが初めて取り組んだこども食堂です。先輩NPOのおかげで、子どもたちは安心して参加でき、昭和の大家族のように楽しく一緒に食事ができる居場所になっています。

「あおとこども食堂」は私たちの活動拠点である葛飾区青戸で、地域の子どもたちに「誰でもおいで」と呼びかけて、様々な年代、立場の人が出会い、遊び、食べる、地域の団らんの場、夜の児童館のような楽しい居場所です。

この2つのこども食堂とは少しちがって、新たにオープンする「こどもカフェ@なぎ」は、対象をかなり絞っています。次の3パターンの子どもを対象とする予定です。

1つは、土曜日の夕飯を一人で食べる子。2つめは、読み書きや宿題をおうちの人に手伝ってもらえない状況にある子。3つめに、外国にルーツがある子どもで、日本語支援が必要な子。

こういう家庭環境にある子どもは、昔からいました。

もう十年以上前、私が小学校のPTA広報部の部長になったときのことです。

PTAの会議は子どもが学校に行っている平日午前に行うことが多いのですが、共働きのおうちも多いので、第一回部会は土曜日、公共施設の部屋を借りて、「子連れOK」で開催しました。

「今後、部会は今日と同じ土曜日がいいですか?」と聞いたところ、あるお母さんは申し訳なさそうに「何曜日でも参加できません。月曜日から日曜日まで働いているんです」と話してくれました。そのお母さんの腕にまとわりついて離れない子どもは、もう高学年の大きな子でした。

おそらく母子家庭なのだろうと想像し、PTA活動をしている余裕はないのだろうと思いましたが、当時の私は、この状況こそ「子どもの貧困」「孤食」といった社会問題なのだと気づくことができませんでした。

PTAではこのような家庭によく出会いました。

外国人のお母さんもたくさんいました。中には、日本人の夫と離婚し、夜遅くまで働いて一人で子育てをしている人もいました。

審査員の2つめの質問、「精神障がいのある人の支援センターを使うのは偶然なのか」に対しては、「偶然、場所を貸していただけるという話があったので企画が進んできましたが、困難を抱えて子育てをしているお母さんの中には、この支援センターにつながってほしいなあと思う人が多いのです」と答えました。

仕事に行かなくちゃ。子どもの面倒を見なくちゃ。家事をしなくちゃ・・・と、追い詰められた挙句、布団から起き上がれなくなってしまった人もいます。そんな時、「さぼっている」「怠けている」「ダメな母親」と世間に非難されたり、自分で自分を責めてしまったり・・・。

私たちはそんなお母さんの心のドアをノックしようとしているのです。

「一緒にご飯を食べましょう」「こどもカフェで読み書き宿題のお手伝いもしますよ」

「お母さんもよかったら、私たちと一緒にボランティアやってみませんか?」

(代表 緒方美穂子)

▼精神疾患って何?(葛飾区教育委員会生涯学習援助制度対象学習会)

地域で支援をしているNPOスタッフ、地域で暮らす当事者のお話を聞きます。

11月6日(月)午後7時~9時 葛飾区青戸 地域活動支援センターなぎ 無料

講師:石川誓子さん(NPO法人SIEN理事長、相談支援専門員、社会福祉士、精神保健福祉士)

参加ご希望の方はレインボーリボンにお申し込みください。

▼NPO法人ハーフタイムが寄付型クラウドファンディング「生きづらさを抱えた子どもたちに家でも学校でもない第三の居場所を」を始めました。

https://camp-fire.jp/projects/view/46016

▼子どもの性被害相談アプリ「ne-ne(ねーね)」(NPO法人ライトハウス)

このアプリからマンガ「Blue Heartブルー・ハート」の電子版を読むこともできます。

女の子も男の子も、匿名での相談も可能。

相談アプリne-ne:https://s.lhj.jp

▼レインボーリボンでは子どもに提供する1食分の食材費300円を1口として、年間12口3600円の寄付(こども食堂の1食オーナー)を募っています。

口座名義:特定非営利活動法人レインボーリボン

●郵便振替口座:00170-7-449974

●りそな銀行 青戸支店(店番号470)普通預金1520535

ご寄付くださった方はお名前、連絡先を下記レインボーリボン宛てにお知らせください。

「レインボーリボンのこども食堂通信」へのご芳名記載の諾否もお知らせいただけますと幸いです。

▼レインボーリボンのホームページ
http://rainbow-ribbon-net.org

このメールマガジンは、代表の緒方はじめ、スタッフと名刺交換させていただいた方、

弊団体のイベント・講座にご参加いただいた方にお送りしています。

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