レインボーリボン メールマガジン 第110号 「船を点検、修理、補強して、大きな海へ」
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■■ レインボーリボン メールマガジン 第110号
■■ 船を点検、修理、補強して、大きな海へ
2023/5/31
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毎月末、NPO法人レインボーリボンの活動報告と、代表、緒方の思いをお伝えするメールマガジンです。
5月は連休を挟んで疲れも溜まる上に、連日の異常な気温差で体調を崩された方が多いのではないでしょうか。
私も月初から何となく調子が悪いな…と思っていたのですが、中旬には足が痛くてまともに歩けない状態になってしまいました。
整形外科で「腰椎が変形し始めています」との診断を受け、1週間ほどリハビリに通った結果、幸いにもほとんど痛みはなくなりましたが、今まで出来ていたこと――例えば30キロの米袋を数メートル移動させるとか、段ボール箱を抱えて棚の上に載せる――といった作業が怖くて出来なくなってしまって、「もうトシだわ~」と、年齢的な限界を痛感しています。
それでも「あおとこども食堂」と「フードパントリー」は5月も毎週、無事に開催できました。
今年度から予約受付や物品管理といった作業を数人の理事に分担してもらっているため、私がまったく動けなくても事業は継続できました。
責任分担体制をスタートさせたのが4月。ギリギリ間に合った格好です。
それでもまだ組織基盤としては、危うい状態であることに変わりはありません。
5月はPTA研修に2回、出講しました。6月も2回のPTA研修と、中学校で3時間の「いじめ防止教室」を予定しています。
レインボーリボンの総会も、かつしか子ども食堂・居場所づくりネットワークの運営委員会も、6月に開催します。
打ち合わせや内容の確認、資料作りといった作業が目の前に山積みとなっている上に、日々の会計処理、支援者からのご支援申し出への対応、活動の報告とお礼、生活困窮者や行政の担当者からの様々な相談受付といった任務もあり、目が回りそうです。
そして、何といっても6月から7月にかけては、助成金申請の季節です。
「3年後、PTAという器を使って新しいことに取り組んでいる学校を100校に」
「10年後、PTAイノベーションの波を1万校に」という目標を立てて動き始めた今年度。
PTAイノベーション事業への助成金獲得に向けて、また、あの苦しい作業が始まるのです。
大きな金額の助成金を申請するための書類作成は、本当に苦しい、大変な作業です。
我が組織がどんな組織なのか、来し方行く末を詳細に描き、そして、なぜこの事業に取り組むのか、どんな効果が期待できるのか、助成金を必要とする理由は何なのか、助成後も持続可能な事業なのか、
本当に、脳みそをふりしぼるような作業です。
レインボーリボンはこの2年ほど、葛飾区からの子ども食堂助成は別として、大きな財団等への助成金申請はことごとく落選しています。
やはり「組織基盤」に問題があるんだろうなあと感じています。
こども食堂事業を始めた頃は、目的も効果も、ボランティアを中心とした実施体制も、現実的に説得力をもって説明することができました。
こども食堂を立ち上げるための助成金は有効に使わせていただき、その後、葛飾区による助成制度が確立されたこともあり、現在に至るまで事業を継続できています。
コロナ禍が始まった当初の緊急プロジェクト事業も、助成金を申請するよりも前に実際に活動を展開していたため、助成の必要性はむしろ、助成する側が強く認識してくれていました。
しかし、緊急事態がある程度収まった後、レインボーリボンがこれから何をするべきなのか、どうやって持続させていくのか、きちんと説明できていないのだと思います。
先日、日本NPOセンターの「NPO/NGOの組織基盤強化のためのワークショップ」にオンライン参加しました。
基調講演を聞いていて「なるほど」と思ったのは、「船(組織基盤)が強化されないまま、積み荷(プロジェクト)ばかりが豪華になって、不安定になっていませんか」という問いかけでした。
確かに、レインボーリボンの3つの事業、PTAイノベーション、いじめ防止、こども食堂という「積み荷」は年々、豪華になっています。社会的認知も広がり、責任も大きくなっています。
そうした大きな社会的使命(ミッション)を載せた「船」をいま、強化しないと、せっかくここまで運んできた「願い」や「祈り」を目的地まで届けられないまま沈んでしまうでしょう。
「すべての子どもたちが幸せな人生を送れますように」という願いから出発したレインボーリボン。
コロナ禍という想定外の緊急事態においては、これくらいの小さな舟がちょうど良かったのです。
コロナ時代に入ってから1年経った2021年3月のメルマガで、「春の嵐に舟を漕ぐ」と書きました。
この時の心境は「レインボーリボンは大きな船になることを目指すのではなく、目の前にいる子どもたち、親たちがすぐに乗り込める小さな手漕ぎボートのままでいよう」ということでした。
しかし、漕ぎ手が動けなくなったらもう何もできないような組織では、私たちを信頼してくれている人たち、支援してくれる方々、期待してくれている人々に応えられないところまで来てしまいました。
PTAイノベーション事業への助成金申請とは別に、「組織基盤強化」のためのコンサルティングを受ける助成申請を考えています。
(代表・緒方美穂子)
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