レインボーリボン メールマガジン 第116号 教育って何だ?学校って何だ?

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■■  レインボーリボン メールマガジン 第116号
■■   教育って何だ?学校って何だ?
  2023/11/30
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毎月末、NPO法人レインボーリボンの活動報告と、代表、緒方の思いをお伝えするメールマガジンです。

11月は「教育って何だ?学校って何だ?」と、心の中で叫んだ月でした。

8月の当メルマガで「葛飾区教育振興基本計画策定検討委員会」について書きました。

レインボーリボン メールマガジン 第113号 9月に意見公募のある「教育プラン」と10月開所の児童相談所


今月10日、その最終回があり、2024年度から28年度の教育基本計画案が委員会から教育長に答申されました。

この会議では区立小中学校の児童生徒からの意見が資料として配布されました。
小学生からも中学生からも「学校をなくしてほしい」という意見がありました。
「いじめ」や「不登校」について取り組みを求める意見も多かったです。
校則をゆるめてほしい、怒鳴る先生、先生が暴力、居場所がない…等、学校の闇を指摘する意見も多数見られます。
「校則や押さえつけのない教育環境」、「行くのが楽しいと思える学校」、「各中学校の改革」、「外国人の両親を持つ子どもへの手助け」等々、改善を求める意見もありました。

委員会の最終回で私が社会教育委員会からの提言として発言した内容は
「子どもは権利の、あるいは教育の主体である。
我々が議論すべきことは、子どもが権利の主体として、生涯にわたって学びつづけることができる状況を作っていく政策、『生涯教育』の仕組みである。
生涯にわたる教育を、家庭教育、学校教育、社会教育にトータルにつなげていくという理念を教育振興基本計画に貫くべきである」
ということです。
しかし、今、学び続ける人生の真ん中に位置する「学校」がこんなにも痛んでいる状況では、教育が人間の幸せや社会の平和を実現する基礎とはなりえず、むしろ、決して少ないとは言えないほど多くの子どもにとってつらい、苦しい、「なくしてほしい」ものとなっているようです。

今月、ある若者のつぶやきを聞いて、胸が締め付けられる思いをしました。
「小学校までは学校が大好きだったのに、中学の3年間で僕はこんなに変わってしまった」。
いじめの被害にあっていたこと、学校は助けてくれなかったこと、家庭にも居場所がなかったこと。
彼は不登校を経験しながらも自力で高校入試を突破したのですが、心の傷は高校生になってから疼き出し、結局、高校を中退。今も悩みを抱えて暗中模索をしています。
彼の成長過程には様々な困難がありましたが、中でも最も大きな重荷となってしまったのが「中学校」という教育機関でした。

滋賀県フリースクール等連絡協議会の『不登校児童・生徒と家庭の実態調査』(Webアンケート)によると、最初に学校に行きづらい、休みたいと感じ始めたときのきっかけは「先生」(合わなかった、怖かった、体罰があった、不信感など)が最も多かったそうです。
次が「友だちのこと」。
「勉強がわからない」、「学校の決まりなど(校則が厳しかった等)」など、学校に理由があると答える比率が多かったといいます。
【アンケート「不登校。私たち困ってます」ご報告】
https://note.com/famous_echium216/n/nfbd70c944b35

学校をどうすれば良いのか?
その答えは、「学校がつらい」と自らの存在をもって表現している不登校の子どもたちに聞くのが一番早いと思います。

東京シューレは38年前から不登校の子どもたちのための居場所、学びの場を作ってきました。学校についても、いじめについても、子どもの声を聞き取り、世の中に発信してきた実績があります。葛飾区にはその「東京シューレ葛飾中学校」があります。
葛飾区の教育委員会はなぜ、東京シューレの知見に学ぼうとしないのでしょうか。
「葛飾の教育はすばらしい」という体面を保つために無視しているのだとしたら、教育にとって本当に大事な宝物を失うことになるでしょう。

私は葛飾区の学校がすべてダメだと言っているのではありません。
例えば、今月、「いじめ防止教室」を実施させていただいた葛飾小学校は、先生、保護者、大人たちが子どもを見守る温かい目を感じられる学校でした。

「いじめ防止教室」では、被害にあいそうになったら「ストップ」と意思表示しようと教えます。
被害にあいそう…とは、「私が安心できる距離」(境界)を侵して相手が侵入してくる時です。
「境界には、相手によって変わる『相対的なプライベートゾーン』と、相手が誰であっても変わらない『絶対的なプライベートゾーン』があります。絶対的プライベートゾーンとはどこでしょうか?」と子どもたちに投げかけます。
今までどこの学校でも正解が出たことがなかったのですが、今回、「水着で隠すところだ」と、初めて正解を得ました。

刑法で「不同意性交罪」「不同意わいせつ罪」が創設されました。16才未満の子どもには「裸の写真を送って」と要求した時点で、処罰対象です。
文科省は子どもたちが性暴力の被害者、加害者、傍観者とならないよう「生命(いのち)の安全教育」を推進しており、教材も公開しています。
https://www.mext.go.jp/a_menu/danjo/anzen/index2.html
この教材では幼児期から、水着で隠れるところが自分だけの大事なところであると教えます。

「生命(いのち)の安全教育」が全国津々浦々の幼児教育や保育の現場、学校教育、大人への教育に拡がっていきますように。
私たちは情報を拡散し、身近な教育機関に働きかけ、子どもたちに教え、子どもたちの声を聴いていきましょう。学校、教育委員会を批判しているだけでは情けないので…。

子どもを性被害から守るYouTubeチャンネル「ハートネット72」
https://www.youtube.com/@user-xn6vy9rf6q
子どもを性被害から守る絵本「おしえて!くもくん」公式サイト
https://kumokun.themedia.jp/
子どもへの暴力防止・人権教育プログラム「CAPセンターJAPAN」
https://cap-j.net/

教師による性暴力防止 都教委ポスター
https://www.asahi.com/articles/photo/AS20230622003134.html
(代表・緒方美穂子)

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