レインボーリボンのメールマガジン第57号「10年後また、ここで会おうよ!」

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■■  レインボーリボン メールマガジン 第57号
■■   10年後また、ここで会おうよ!

2018/12/31
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大晦日の今日、皆さまいかがお過ごしでしょうか。

 

私は2018年の手帳を読み返しながら、レインボーリボンの活動実績を書き出してみました。

2018年、レインボーリボンは延べ約1200人の小中学生とともに、25回の「いじめ防止教室」を開催しました。

こども食堂は36回開催し、子ども486人、保護者233人、ボランティア439人、見学の方も含めると延べ1272人が参加してくれました。

 

こんな小さなNPOにしては、たいした活動量だと思います。

量もさることながら、中身においても参加者一人ひとりの人生に関わるような、大事な社会活動をさせていただいているという実感があります。

 

私自身は優れた能力があるわけではなく、「多文化共生の子育ち・子育て環境をつくる」というレインボーリボンのミッションに対する揺るぎない信念だけが取り柄だと思っています。だからこそ、仲間が一生懸命力を合わせてくれますし、私も自分ひとりの手柄だと勘違いすることなく、いつでも「助けて」「お願い」と、SOSを出し続けています。

 

さて、こんな状態のレインボーリボンは、この先いったいどうなるのでしょうか。年末恒例の「未来日記」で今年もメルマガを締めくくりたいと思います。

今年の「未来」は、10年後のある冬の日、こども食堂の会場です。登場人物は大学4年生の「ルナ」と、小学4年生の「よっちゃん」。

こども食堂の「遊びコーナー」オープンまでまだ1時間もある、早い時間によっちゃんが会場のドアを開けて入ってきました。ルナのひとり語りで物語が進行します。

 

(ここからは「10年後のこども食堂」。夢の世界です。語り手の「ルナ」は架空の人物です。)

 

あれ?

よっちゃん、どうしたの?まだ準備中だから待っててね。寒いから入って。

どうした?何かあったの?ルナ姉さんが話し聞こうか?話したくなければ話さなくてもいいんだよ。

私もよっちゃんと同じ顔して家を飛び出したこと、何回もあるよ。よっちゃんと同じくらいの年の頃。

私の話、聞きたい?

私がよっちゃんと同じ年の頃、お母さんが新しいお父さんと結婚したの。

新しいお父さんは怖かった。

私をかわいがるフリをして体を触ってくるのがすごく嫌だったの。でも、私が「いや」って言うと、すごく機嫌が悪くなって、お母さんを叩くのね。叩いたり蹴ったりしたの。だから私は我慢して、「お父さん」の機嫌を損ねないように、いつもニコニコしていたの。

5年生の終わりくらいに、学校で「いじめ防止教室」があってね。そこにやって来たのが、こども食堂をやっている田中さんだったのよ。

田中さんの「いじめ防止教室」で私の人生は変わったの。

怖いと思ったときや嫌だと思った時は「やめて」「ストップ」って言葉に出すこと、それでも相手がやめなかったら逃げることって教わったのね。

やっぱり冬の寒い日だったな。

お母さんが買い物か何かで家をあけていて、私と「お父さん」の2人きりだったの。「お父さん」がどんどん私に近づいてきて、私は怖いと思った。だから「来ないで」って、言ったの。でも、「お父さん」は全然聞いてくれなかった。だから私は逃げ出したの。

靴もはかないで、泣きながら道を歩いていたら、近所の人に通報されて、それで児童相談所っていう所に連れて行かれたのね。

いろいろな大人に事情を聴かれたんだけど、その時も田中さんの「いじめ防止教室」が役立ったよ。自分の気持ちを信頼できる大人に話そうって教わっていたからね。最初に話した大人に「あなた、ウソついてるんでしょ」って言われたら、その大人はダメだってあきらめて、次の信頼できそうな大人に話そうって。そうしたら、私の話を真剣に聞いてくれる大人に出会えたんだ。

結局、私は児童養護施設に入ったの。

施設は高校卒業までいたけど、いい所だったよ。お母さんがいないのは寂しかったけど、もう人の顔色を気にして無理して笑顔でいなくてもいいんだと思ったら、自分で自分の気持ちを立て直せた。我慢したり、時々、「寂しい」っていう気持ちを施設の職員さんに話したりして。

施設では国から子どもに支給される福祉のおカネを貯めていてくれて、奨学金もね、返さなくてもいい制度ができたから、私を大学まで行かせてくれたんだよ。

お母さんはね、その後、「お父さん」と離婚したって。今は遠い所に住んでいるの。

田中さんとの付き合いはそれからずーっと。施設にいた時からこども食堂には時々来てたし、大学生になってからはボランティア登録して、こうしてお手伝いしているわけ。

あ、今日はね、腰が痛いから病院寄って来るんだって。田中さんももう年だからね。

若い人たちに少しずつこども食堂の運営も譲っていきたいんだって。まあ、もう少し頑張ってもらわないと、私もまずは社会人として立派に自立してからじゃないと、ボランティア活動にどっぷりってわけにもいかないしね。

私、4月からどこに就職するか、わかる?

学校です。先生になるの。びっくりした?

毎日、よっちゃんたち子どもの顔を見ることができる職業って言ったら、やっぱり学校の先生でしょ?私、自分の子ども時代に、助けてくれる大人にもっと早く会いたかったなっていう気持ちがあるから、いま困っている子どもがいたらすぐに助けてあげられる仕事をしたかったのよ。

それに、今は学校や福祉の人と、田中さんみたいなNPOの人と、一緒に子どもたちのために働ける仕組みがあるからね。先生の立場からも田中さんたちのお手伝いできると思うんだ。

田中さんたちが10年前に「こども食堂・居場所づくりネットワーク」を作ったのね。そのネットワークが中心になって何年か前に区に「子どもの命と人権を守る総合支援センター」ができたの。総合支援センターの運営には、こども食堂や学習支援教室を運営している民間団体とか、児童養護施設やシェルター運営団体、学校の先生や幼稚園保育園関係者、社会福祉士っていう専門家とか、いろいろな人が関わっているの。

あ、ごめんごめん。よっちゃんにはちょっと難しかったかな。

さ、遊びコーナーの準備ができたみたい。

何して遊ぼうか?

(代表・緒方美穂子)

 

▼かつしか子ども食堂・居場所づくりネットワーク連続学習会「こども食堂のいろは――安心安全な居場所づくりをめざして」

【第4回(最終回)】2019年1月11日(金)18:30~20:30 湯浅誠氏講演会「いま、なぜ『こども食堂』?」

ホームレス支援や生活困窮者支援のNPO活動から内閣府参与までを経験された湯浅さんが、現在、子ども食堂を全国に広めるために奔走しています。いま、なぜ「こども食堂」なのか?社会に、地域に、求められている私たちの役割とは?

【参加申込みフォーム】

https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSd5MPBaoBKhSPJywcbGjGBc2G9KLFVLRI09-dNWY7wPRnshwA/viewform?c=0&w=1

【メール・電話 申込み先】

mincafe.kameari@gmail.com

070-2156-9179(みんかふぇ)

 

▼日本生活協同組合連合会主催、内閣府、文部科学省後援「子どもの未来アクション」の活動交流会

2019年2月14日(木) 13:00~16:30

会場:①東京会場: TKPガーデンシティ渋谷 ホール4C

②大阪会場: TKP新大阪ビジネスセンター ホール3A

対象:子どもの未来アンバサダー、子どもの未来アクションへの参加を検討している人

申し込み定員: 東京会場100人、大阪会場70人

参加費: 無料

主催: 日本生活協同組合連合会

詳細: https://miraiaction.org/news/event-ad/post-13.html

申し込み: https://business.form-mailer.jp/fms/a54de69f97474

 

▼レインボーリボンへのご寄付がホームページからもできるようになりました。

http://rainbow-ribbon-net.org/entry/

子どもに提供する1食分の食材費300円を1口として、12口3600円の寄付(こども食堂の1食オーナー)を募っています。

口座名義:特定非営利活動法人レインボーリボン

  • 郵便振替口座:00170-7-449974
  • りそな銀行 青戸支店(店番号470)普通預金1520535

ご寄付くださった方はお名前、連絡先を下記レインボーリボン宛てにお知らせください。

「レインボーリボンのこども食堂通信」へのご芳名記載の諾否もお知らせいただけますと幸いです。

 

このメールマガジンは、代表の緒方はじめ、スタッフと名刺交換させていただいた方、

弊団体のイベント・講座にご参加いただいた方にお送りしています。

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