レインボーリボン メールマガジン 第119号 児童虐待を根絶しよう!

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■■  レインボーリボン メールマガジン 第119号
■■   児童虐待を根絶しよう!
  2024/2/29
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毎月末、NPO法人レインボーリボンの活動報告と、代表、緒方の思いをお伝えするメールマガジンです。

2月は児童虐待に関する大きなニュースがいくつもありました。
東京都台東区で4才の次女に不凍液などを飲ませて殺害したとして、両親が逮捕されました。
青森県八戸市では5才の子が浴槽内に閉じ込められ低体温症で死亡した事件で、母親と交際相手が逮捕されました。
2022年、大阪府富田林市で当時2才の子が手足を粘着テープで縛られ、保護責任者の祖母らが旅行中の3日間ベビーサークルに閉じ込められ熱中症で死亡した事件で、祖母に懲役9年の地裁判決がありました。

そんな折も折、かつしか子ども・若者応援ネットワークと葛飾区教育委員会の共催で「児童相談所と虐待――地域で『私たち』ができること」という講座を2月18日、開催しました。
開催報告は以下のサイトでご覧いただけます。
https://sites.google.com/site/katsushikaouennetwork/28?authuser=0

葛飾区の児童相談所は昨年10月に新規開設されました。
開設準備の段階から私たち、葛飾区で子どもの支援に関わっている市民のネットワークは、数度にわたって区に意見を届けてきました。
特に、同じ10月に施行された「葛飾区子どもの権利条例」と絡めて、子どもの意見表明権を尊重するよう求めてきました。

最近の虐待死ニュースで頭に血が上っていた私が、今回の講座でいくらか平静を取り戻したのは、一時保護を担当している課長が会場からの質問に答えて、
「児相が一時保護を解除した後、虐待で子どもが死んでしまうということに、皆さんは『なぜだ』と思っていらっしゃる。我々(葛飾児相)は家庭が子どもにとって【安全な場】にならない限り、子どもを帰しませんよ。親が帰せと言ったら、家庭裁判所に(一時保護の延長を)申し立てます」と言い切ってくれた時でした。
葛飾区の児相は信頼できると思いました。

講座ではさらに、子ども総合センターと児相が同じ部局内に位置づけられ、子どもの保護に関して緊密に連携していること、一時保護された子どもたち(幼児6名、学齢男児12名、学齢女児12名の合計30名の定員がほぼ埋まっているそうです)は保護者との愛着に問題を抱えている子が多く、職員が一人ひとりに対応する中で落ち着いて生活できていること、一時保護所での生活について子どもが第三者(定期的に訪問する弁護士)に意見表明する機会があること等が紹介されました。

参加者から「保護者(加害者)更生プログラムは導入されているのか」という質問がありましたが、それは導入されていないとのことでした。

大きな事件が続いた影響もあり、今回の講座は「地域で『私たち』ができること」よりも、児相はどうなっているのか、ちゃんとやっているのか、といった議論の方向性が強かったように思います。
それは仕方のないことで、八戸市のように通報しても保護してくれない、虐待・暴力を把握していながら警察などとの情報共有も怠るような児相だったら、市民は協力のしようもないのですから。
しかし、やはり「私たちができること」をもっと具体的に考え、我々一人ひとりが身につけ、行動を変えていかなければ、いつまでたっても児童虐待はなくなりません。

18日の講座参加者の中に橋本隆生さんがいました。
虐待を受けて育った当事者です。
「りゅー」と名乗って、やはり当事者である「マリリン」さんと2人でYouTubeチャンネル「Reスタートchannel~家で色々ありまして~」を運営しています。
https://www.youtube.com/@restartchannel2023

このチャンネルの中でも、特にりゅーさんの弟が父親に「殺された」経験談は、やはり衝撃的です。
衝撃は受けるけれども、多くの方に見ていただきたいと思いました。
【ReスタートYouTube動画 りゅーさんの幼少期~小学生時代】

こうした当事者の、まさに命を削って発せられた言葉と、児童虐待死事件が起きてしまった経過を取材した報道と、それから日常、我々の目の前で繰り広げられている様々な家族の様相。
精一杯アンテナを伸ばして収集した情報を、しっかり受けとめて、考えなければと思っています。

まず、幼い子どもは、大人の暴力を「理不尽なものだ」「他の家庭ではこのようなことはない」とは、知らないのだということ。
「悪い子だ」と怒られれば「自分が悪い」と思い、大人が怒って暴力を振るわないように願い、大人が怒らないように自分なりに工夫していくのです。
今回の台東区でも、八戸市でも、死亡した子どもは事件前、児相に対して「(体の傷は)公園で転んだ」、「(虐待は)ない」と話したそうです。
このような場合、たとえ子どもが虐待を否定しても、親が拒否しても、児相は強い権限をもって子どもを親から離して保護しなければなりません。
そのような権限が児相にあるのかといえば、法律上はあります。
ただ、後日、裁判で認められるだけの材料を集められるのか、そのために人員を割く体制があるのか、子どものその後の育成に責任が持てるのか…といった様々な現実問題もあります。

子どもを暴力から守るために、国も自治体ももっと政策的・財政的資源を集中させてほしいと思いますし、私たち市民も児相を監視したり、応援したり、何よりも「通報する」「里親になる」といった、私たちができることに(もちろん、できる範囲で)真摯に取り組みたいと思います。

幼い子どもが自分の権利を「知らない」のだという認識の次には、ある程度成長した子どもが、自分の家庭環境の異常さに気づいた後、誰に、どうやって救いを求めるのか、という課題があると思います。
そこに「地域で私たちができること」の核心があると予感しています。
(代表・緒方美穂子)

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