レインボーリボン メールマガジン 第85号 武器ではなく、花を
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■■ レインボーリボン メールマガジン 第85号
■■ 武器ではなく、花を
2021/4/30
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毎月月末、レインボーリボンの活動報告と代表・緒方の思いをお届けするメールマガジンです。
コロナウィルスという目に見えない敵との闘いが、1年過ぎてもまだまだ続きそうな状況で、みんな疲れていますよね。
「新型」と言われていた敵が今や「従来型」と言われ、もっと強敵の「変異型」が次々と現れて、最初のステージで用意されるべきだった防御のための「検査体制」がいまだ十分ではなく、敵をやっつけるための武器となるワクチンや特効薬もなかなか手に届かない…。
THE BLUE HEARTSの歌詞が頭の中をぐるぐる回っています。
「見えない自由がほしくて、見えない銃を撃ちまくる 本当の声を聞かせておくれよ」
相対的貧困も「見えない貧困」と言われています。
その中にいる人が「本当の声」を聞かせてくれることはあまりないのですが、先日、フードパントリーの参加者がご自宅に帰ってから送ってきてくれたLineメッセージを、ご本人の承諾を得て紹介します。
「最近、子どもが少し生活が楽になったと感じてくれているようです。皆様のおかげで空腹な時が減って、大変助かっています。以前はおなかが空いたねと涙して過ごした事もありました。焼肉を思い浮かべてごはんだけ食べる日もありました。最近はカップ麺が美味しいと感じないほど食育も進んでいます。春休みごはんプロジェクトのおかげです」。
「春休みごはんプロジェクト」は葛飾区の区立小中学校の春休み期間、学校給食がないと充分な食事が確保できない子どもたちのために500円相当のお弁当無料チケットを1日1食分配布するという、「かつしか子ども食堂・居場所づくりネットワーク」の取り組みです。
前号のメルマガで報告したように、ネットワークを構成している団体の一つがこの取り組みに反対したため、危うく実施できない事態に追い込まれそうでしたが、心ある人たちの知恵と時間と労力、忍耐力のおかげで何とか実施することができました。
かつしか子ども食堂・居場所づくりネットワークのHPで報告ブログを掲載しております。
春休みプロジェクト報告ブログの3つ後の「オムツの貧困」ブログもお読みいただけると嬉しいです。
「今朝、Aさん宅に伺ったら、パンも米もBちゃんのオムツもなく、ビニール袋にティッシュを敷いてオムツの代わりにしていました。オムツの寄付もあるのでしょうか?」
この連絡をくれたのは、今はこども食堂を休止している、ネットワークの仲間です。
Aさん一家には、ネットワークの4つの団体や個人が関わって支援しています。
さっそく、かつしか子ども食堂・居場所づくりネットワークのメーリングリストに「使わないオムツがあったら寄付してください」と投稿しました。
さっそく「オムツ購入費用に」と寄付してくださった方は、ネットワークのメーリングリストで情報を受け取りながら、ご自身がこども食堂を開設したいという思いを温めている方です。
また、別の方は「下の子のためにとってあるオムツだけど、差し上げます」という連絡をくれました。この方は以前、ご自身のお店でこども食堂をやりたいと連絡をくれたのですが、お店の形態などの事情で断念し、今は春休みプロジェクトのような機会に協力店として関わってくれています。
Aさんの件以来、レインボーリボンのフードパントリーでは利用者にオムツの希望も伺っています。
コロナ禍の中、消毒除菌作業で保育士さんが忙しかったり、衛生上の理由から、保育園でトイレトレーニングができないのだという実態がわかりました。
多子家庭や、親に障がいがあるなど事情がある家庭では家でのトレーニングもできず、オムツ代が家計を圧迫しているのです。コロナウィルスの影響はこんなところにも出ていました。
私たちが見えない敵と闘う主戦場は今や「フードパントリー」になっているのですが、ここには「武器ではなく、花を」と言わんばかりの、たくさんの寄付がたくさんの方から届けられます。
いつも「ふるさと納税」でお米を送ってくださる方は、一昨日、オムツを送ってきてくれました。
ブログを読んでくださっているのだなと感動し、同時に、ふるさと納税の返礼品にオムツもあるんだ、と驚きました。
また別の方が「オムツを寄付しようと思っているけど、他に欲しい物は?」とメールをくれました。
お金ではなく、必要としている人に必要な物を届けたいという方は多いです。
話は行ったり来たりしてしまいますが、春休みプロジェクトを危うく潰されかけて、私はネットワークの運営にとても危機感を抱きました。
子どもたちのためにという趣旨で集められた寄付金が、一部の団体の思惑で持っていかれないように、今月はかつしか子ども食堂・居場所づくりネットワークの規約改正や今年度予算などを通すために、かなりの時間と労力を費やしました。
ゆるやかなネットワークとはいえ、普通に多数決で物事を決めて、お金の流れをきちんと公開する体制をつくるため、規約案を作ったり、賛成してくれる人の委任状を集めたり、四苦八苦しながら感じていたのは、「寄付金がたくさん集まってしまったから、こういうことになったんだよな~」という、まさに逆説的な「空しい」気持ちでした。
お金がないときは、こんな苦労をしなくて済んだのに…。
そこで話は元に戻りますが、お金の寄付も本当にありがたく、(特に事務所家賃という固定費用を背負ってしまったレインボーリボンにとっては)絶対に必要なのですが、これからは「ふるさと納税」の仕組みを使ってお米やオムツなどを送っていただく寄付を呼びかけていこうかな…というアイディアが浮かびました。
このメルマガ本文の後のご寄付お願いの項で「ふるさと納税」について紹介します。
同時に、お金ではなくて物を贈る、贈られるという「関係」「繋がり」っていいなとも思いました。
春休みプロジェクトに強硬に反対した人は、今年度の夏休みや冬休みのプロジェクト費用を計上した予算案にも強硬に反対し続けたのですが、その人が反対する理由は「持続可能な仕組みを作る」とか「10年後の葛飾区のビジョンを共有する」「こども食堂の新規開設を支援する」といったことのために「お金をとっておくべきだ」というものでした。
今、こうしたプロジェクトを必要としている子どもがいるのだと反論しても、「お弁当を受け取った時は良いかもしれないが、それでネットワークのお金を使ってしまって、お金がなくなったらもうやらないということで良いのか」と言うのです。
この人の論法につきあっていると、まるでこの人が「何のためのネットワークなのか」という問題提起をしているかのように眩惑されながら、「目の前の『貧困』に直面している子どものためにお金を使わない」という結論に持って行こうとしているわけですから、訳が分からなくなります。
子どものためのプロジェクトにお金を使わせず、将来、自分の懐に入るような算段をしているのでしょうか。
私の頭の中で流れていたのは、THE BLUE HEARTSの別の歌です。
「隠している その手を見せてみろよ」
そんな消耗戦の最中、ある人が長期休みのプロジェクトに賛成の立場から発言してくれました。
「500円を10日間くらい、たいした金額じゃないかもしれないけど、それでお弁当やテイクアウトの一食を受け取った人って、すごく嬉しいと思う。誰かに応援してもらえている、一人じゃないと思える」と。
前号のメールマガジンで昨年春の「緊急お弁当プロジェクト」が絶対に必要な活動だったと信じる根拠を書きました。
ある人が自死を思い留まったと告白してくれたのです。
今回の「春休みごはんプロジェクト」にはレインボーリボンの事務所周辺のラーメン屋さんやお好み焼き屋さん、居酒屋さんが協力してくれました。そのお店でチケットを使った子どもが、レインボーリボンにお礼をしたいと花の小鉢をプレゼントしてくれました。
花の小鉢は500円以上するんじゃないかな~と思いながら、その子の気持ちが嬉しくて、毎日水やりを欠かしません。1ヶ月近くたった今も元気に咲いている花が、私の心を癒してくれます。
これはもう、支援する側とされる側ではなくて、花を贈り合う「繋がり」です。
(代表・緒方美穂子)
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「ふるさと納税」は応援したい自治体に寄付をし、寄付金の税控除が受けられる仕組みで、寄付した自治体から返礼品がもらえます。その返礼品の送り先を下記、レインボーリボンの住所として寄付してくだされば、レインボーリボンから困っている子育て家庭にお渡しします。
確定申告をする必要のない給与所得者向けに「ワンストップ特例制度」が設けられており、寄付先の自治体に特例申請書を提出することで、住んでいる自治体の翌年の住民税控除が受けられます。
【ご参考】さとふる「ワンストップ特例制度」入門ガイド
https://www.satofull.jp/static/onestop.php
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