レインボーリボン メールマガジン 第87号 微妙な「変化」と、少しずつの「前進」
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■■ レインボーリボン メールマガジン 第87号
■■ 微妙な「変化」と、少しずつの「前進」
2021/6/30
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
毎月月末、レインボーリボンの活動報告と代表・緒方の思いをお届けするメールマガジンです。
6月が終わるということは、2021年ももう折り返し地点なんですね…。
6月もいろいろなことがありました。このメルマガでは、活動報告のブログではお伝えできない微妙な変化を中心に書きたいと思います。
今月は、レインボーリボンに継続的に寄付してくださっている一般財団法人日本善意財団様の「米米プロジェクト」(困窮家庭にお米10キロを宅配する取り組み)に申し込むため、フードパントリーを利用している子育て家庭から困窮度合いを聴き取りました。
驚いたことに、「実は困窮していない」というおうちが1軒あり、このプロジェクトもフードパントリーも、以後の利用はご遠慮願うことにしました。
「米米プロジェクト」に申し込んだ28世帯(大人36人、子ども52人)中、ひとり親世帯は26世帯、障がい者のいる世帯は7世帯、外国にルーツがある家庭は6世帯でした。(大人の人数が多いのは、18歳以上の家族を「大人」と数えているためです。)
ひとり親であり、障がいがあり、外国ルーツという3つの背景がそろっているおうちも1軒ありましたし、3つのうち2つの事項に当てはまるおうちは10軒ありました。
3つのどれにも当てはまらない家は1軒でした。コロナの影響で突然、収入が激減したおうちでした。
今までフードパントリーやこども食堂の利用者に対して、プライバシーに立ち入った話を聞いたことがなかったので、この聴き取り調査は困難で、その結果を受け止めることが苦痛でもありました。
各家庭が抱えている「困難」の具体的な内容を知ってしまってショックを受けたという面もありますが、それよりも、支援者としての自分の「未熟さ」や「無知」を突き付けられる怖さがありました。
例えば、収入がゼロで本当に困っている人の話を聞いた後で、月収は〇〇万円あるという話を聞くと、その困窮の度合いを比較してしまい、収入がある人の「苦しさ」や「不安」を受け入れられないのです。
月収があるといっても、住居や子どもの学費などを考えればとても足りないでしょうし、私には計り知れないもっと深い事情を抱えているのかもしれません。
素人考えで簡単に「あの人はそれほど困っていないから支援を打ち切る」と言い出したら、それこそ今まで必死に繋いできた信頼関係を壊し、子ども支援活動全般への信頼も失ってしまうでしょう。
そのような素人判断をしないように自戒する一方、逆に、信じられないほどの「困難」を抱えているという話を聞くと、なぜそのまま放置するのか、行政に訴え、福祉を受けるべきではないか、と、これも素人考えと言えば素人考えですが、その人を責めるような気持ちが湧いてくるのです。
行政に訴えればすべて解決するわけでもないでしょうし、むしろ、行政には知られたくない複雑な背景があるのかもしれません。
今回、聴き取り調査に応じてくださった方々に関しても、「また次の機会に」と保留している方々にも、私がお米を提供しているわけでもないし、福祉の専門知識があるわけでもないし、決して「支援してあげている」という上から目線にならないように、あくまでも善意の寄付をしてくださる方と困難を抱えている人との間をとりもつ「つなぎ役」に徹しようと思いました。
同時に、フードパントリーとこども食堂はやはり全然ちがうと思い知りました。
6月20日に緊急事態宣言が明けて、26日、「あおとこども食堂」を開催することができましたが、密を避けるための人数制限をとても守り切れないほど、「来たい」子どもも多いし、私たちも「来てほしい」気持ちが勝って、予約希望者全員を受け入れてしまいました。
こども食堂は「困窮しているかどうか」よりも、「子どもが楽しいかどうか」が問題なのです。
こども食堂は「子どもの貧困」を解決することはできませんが、子どもが安心してありのままの自分でいられる居場所を提供し、大人との信頼関係を作り、いざという時の避難場所にもなります。
私たち、大人にとっても子どもの純真さに心洗われる憩いの場です。
でも、以前から、こども食堂に来ることができない深刻な問題を抱えた家庭の子どもがいることには気がついていました。
例えば、虐待されている子どもです。
昨年からこども食堂が開催できないので代わりに取り組み始めたフードパントリーですが、これは直接的に「貧困」を救済する効果を実感しています。
お米やレトルト食品などを定期的に無料で提供しているので、利用者は最低限、「飢える」心配からは解放されています。
常に食料をストックしているので、行政関係者から連絡を受けて、緊急に提供することもあります。
こども食堂に来ることはないだろう、複雑な事情を抱えたおうちにも繋がるチャンネルとなっています。
こども食堂、フードパントリー、それぞれ一長一短といったところでしょうか。
27日にはレインボーリボンの2021年度総会を開きました。
今年度いっぱいは引き続き、こども食堂とフードパントリーを両輪に、昨年度は実績ゼロとなってしまったPTA研修や「いじめ防止教室」の活動もできるだけ復活させていきたいと思います。
ただし、コロナの状況次第ですが。
28日、テレビ朝日のニュース番組「スーパーJチャンネル」で再び取り上げてもらいました。
葛飾区のリサイクル清掃課、社会福祉協議会ボランティアセンターのフードドライブを紹介するコーナーで、「あおとこども食堂」、レインボーリボンも取材を受けました。
区のフードドライブが今年度から始まり、こども食堂などに食品を提供してくれる体制が整ったことは、テレビ取材でも言ったとおり、本当にありがたいことでした。
「かつしか子ども食堂・居場所づくりネットワーク」は3年かけてフードドライブの体制を作りつつあるのですが、区が寄付食品の受け皿になってくれることほど心強いことはありません。
来月は「かつしかネットワーク」と行政との連携にも、もう一歩踏み込みたいと思っています。
給食のない夏休みが、もう目前ですから…。
(代表・緒方美穂子)
▼レインボーリボンのメールマガジン、バックナンバーは下記URLでご覧いただけます。
http://rainbow-ribbon-net.org/category/mailmagazine/
▼レインボーリボンの活動を支えるご寄付をお願いいたします。
口座名義:特定非営利活動法人レインボーリボン
●郵便振替口座:00170-7-449974
●りそな銀行 青戸支店(店番号470)普通預金1520535
銀行口座からご寄付くださった方はお名前を
rainbow_ribbon_mail@yahoo.co.jp
宛てにお知らせください。
●ホームページからクレジットカード、コンビニ決済、Pay-easy
◆ご寄付をくださった方は
「レインボーリボンのこども食堂通信」へのご芳名記載の可否もお知らせいただけますと幸いです。
◆「ふるさと納税」返礼品のご寄付
「ふるさと納税」は応援したい自治体に寄付をし、寄付金の税控除が受けられる仕組みで、寄付した自治体から返礼品がもらえます。その返礼品の送り先を下記、レインボーリボンの住所として寄付してくだされば、レインボーリボンから困っている子育て家庭にお渡しします。
確定申告をする必要のない給与所得者向けに「ワンストップ特例制度」が設けられており、寄付先の自治体に特例申請書を提出することで、住んでいる自治体の翌年の住民税控除が受けられます。
【ご参考】さとふる「ワンストップ特例制度」入門ガイド
https://www.satofull.jp/static/onestop.php