レインボーリボン メールマガジン 第88号「誰一人取り残さない(leave no one behind)」持続可能な社会

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■■  レインボーリボン メールマガジン 第88号
■■   「誰一人取り残さない(leave no one behind)」持続可能な社会
  2021/7/31
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毎月月末、レインボーリボンの活動報告と代表・緒方の思いをお届けするメールマガジンです。

7月はフードパントリー2回、こども食堂1回の開催でした。
こども食堂は、緊急事態宣言が発出されると会場を貸してもらえないため、中止せざるを得ないのです。
3月末に3カ月ぶりに緊急事態宣言が明けてようやく再開したかと思うと「また」緊急事態宣言、3か月後の6月末に3カ月ぶりに再開できたかと思うと「またまた」緊急事態宣言と、まったく同じことの繰り返しです。
これからもこのような状況なのでしょうか。
それとも、もっと悪い方向にいってしまうのでしょうか。

先月のメルマガで「微妙な『変化』と、少しずつの『前進』」をご報告しましたが、レインボーリボンは今月も引き続き、そのような状態です。

今月21日から葛飾区の小中学校は夏休みに入りました。
「かつしか子ども食堂・居場所づくりネットワーク」の「夏休みごはんプロジェクト」は、夏休み中、学校給食がなければ食事が摂れない心配がある18歳未満の子ども45人を対象に、プロジェクトにご協力いただける地元のお店でお弁当などと引き換えられるチケットを発行しました。
対象の子ども45人は、レインボーリボンをはじめ、「かつしかネットワーク」に所属している団体の代表4人で選考しました。
この方法について選考作業には加わっていないある団体の代表者から「公平性が担保できるのか。行政にも選考過程に加わってもらうべきではないか」という意見がありましたが、私たちは「世帯年収いくら未満」といったような一律の条件で公平に割り当てられる福祉行政では救えない、複雑な事情、困難を抱えた子どもたちのために活動しています。
ふだんの活動の中でアンテナを張って、夏休みの栄養確保をサポートすべき子どもを見つけ出し、その保護者に私たちのサポートを受け入れてもらえる信頼関係を作っていくしかないと思っています。

私たちは行政にできないことをやっているという自負がありますが、もちろん、行政にしかできないこと、行政だからこそできることもあります。
困窮家庭の生計を支える生活保護をはじめとして、多様な福祉サービスを組み合わせて子育てを支える包括的な支援は、行政の力に頼るところがとても大きいです。

今月、葛飾区の福祉部局の方が音頭をとってくださって、何年も前から複数のこども食堂関係者が関わっているある一家について、我々民間と行政の関係各局で情報を共有することができました。
行政として支援することが難しいケースで、例えば「食べるものがない」とか「ガスを止められた」といった目の前の課題に私たち民間の支援者がその場その場で対応してきました。
当初は支援に対して拒否的な態度だった保護者も私たちには心を開き、今ではとても感謝し、信頼してくれています。ただ、このままでは子どもたちが将来に希望をもって育っていく環境を整えることはできないと、関わっているみんなが分かっていました。
今回、区役所の関係部局の方々と連携するチャンネルができたので、課題解決への道のりは険しいですが、まだまだこれからも一緒に歩んでいこうという勇気が湧きました。

今月は、こども食堂を管轄している区の子ども応援課からも勇気をもらいました。
こども食堂などの活動に補助金を出してくれる「葛飾区子ども若者支援活動費助成制度」の今年度募集要項が発表されたのですが、「助成対象事業の要件」に「参加者の大部分が、葛飾区内に住所を有する子ども・若者であること」という項が付け加わりました。
「大部分が」というところがミソです。「例外を認める」ということです。
昨年度までこの言葉がなかったため、隣の足立区の子どもは支援対象ではないのか、埼玉県から子ども食堂に来てはダメなのか、といった問題がありました。
実際、「かつしかネットワーク」に所属している一部の団体代表者が「行政は対象外としている」という理由で、夏休みや冬休みの給食代替プロジェクトで区外の子を支援することに反対していました。

住所は区外でも生活圏としては同じ地域で、このコロナ禍の同じ時代に、私たちの隣で成長期を生きている子どもです。
このプロジェクトからお弁当が届けられなかったら休み中の食事は本当に困ってしまうという子どもを取り残したまま、「地域で子ども支援活動をしています」なんて言えるはずがありません。

「誰一人取り残さない(leave no one behind)」持続可能な社会というSDGsの目標を、もう一度、自分自身の活動目標としても胸に刻みたいと思います。

オリンピックをめぐる様々な出来事の中でも強く思います。
開会式で余ったお弁当4000食が廃棄されたというニュースにも愕然としましたが、ウガンダの選手が一時行方不明になり、難民認定を求めていたのにウガンダ大使館に引き渡されたということ、そして誰もそれに抗議の声をあげていないということ…。

難民問題については知識が乏しく、責任ある主張はできませんが、ただ、困っている人を社会で取り残さないために、私にできることを探したいと思います。
レインボーリボンのフードパントリーにつながっている外国ルーツの家庭がいくつかあります。
多文化共生の日本社会を実現するためにはどうしたら良いのか、勉強しなければいけないこと、考えなければならないことがたくさんあります。
(代表・緒方美穂子)

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【ご参考】さとふる「ワンストップ特例制度」入門ガイド
https://www.satofull.jp/static/onestop.php

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