レインボーリボン メールマガジン 第97号 命を守るカナリアになろう
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■■ レインボーリボン メールマガジン 第97号
■■ 命を守るカナリアになろう
2022/4/30
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毎月末、NPO法人レインボーリボンの活動報告と、代表、緒方の思いをお伝えするメールマガジンです。
4月は2021年度の会計清算や22年度の活動準備に追われ、いつも通りの忙しい日常を過ごしました。
テレビをつけるとウクライナの凄惨な現実、北海道での観光船事故などが報じられていて、気持ちが落ち込みます。
そんなストレスが重なったせいか、左目瞼に原因不明の皮膚炎が起きてしまい、1週間ほど不快な思いをしました。そんなちょっとした不調でも、気分が落ち込んでいると「もう治らないかもしれない」「明日、死ぬかもしれない」などと、極端な不安に襲われることがあります。
半世紀以上生きてきた私でさえこうなので、生まれて10年そこそこの子どもが心のストレスに襲われたらどんなに大変だろうと思います。
「5月病」という言葉もあります。
新しい環境で緊張して過ごした4月が過ぎる頃、そして今年は、「3年ぶりに行動制限のないゴールデンウィーク」と言われるように、コロナの脅威から少し解放された雰囲気が世間を覆っている中、世の中から取り残されたような孤独感に襲われる人が必ずいると、警戒しなければなりません。
国立成育医療研究センターの「コロナ禍における思春期のこどもとその保護者のこころの実態報告書」(2022年3月23日)によると、小学5,6年生の9%、中学生の13%に中等度以上のうつ症状があり、軽度も含めると小学5,6年生の4人に1人、中学生の3人に1人がうつの症状を訴えているそうです。
https://www.ncchd.go.jp/center/activity/covid19_kodomo/report/CxCN_repo.pdf
レインボーリボンのフードパントリーに利用登録をされている親御さんへのアンケート調査では、約2割の方が精神疾患や精神障がいを抱えていると答えてくれました。
レインボーリボンの活動を担っている立場としても、子を持つ親という立場にしても、治療をできる専門家ではないので、「受けとめること」「寄り添うこと」「つなげること」しかできません。
受けとめること。
子どもの話はもちろんですが、自分自身も自分の気持ちを大切にして、苦しいと感じる気持ちを「なかったこと」と無視しないように気をつけています。
話は少しそれますが、ロシアがウクライナ国境に軍隊を集結させた時点で、各国の政治家や国連はもっと危機感を表明するべきだったし、知床の観光船運営会社が危険な出航をしたと気づいた時点で地元の同業者はもっと大きな声で「不安」を叫び、行政に通報するべきだったと思います。
私たちのような小さな活動団体でも同じです。相手との関係が気まずくなっても、世間から「大げさな」と言われようとも、「何かおかしい」と気づいたら、大事件になる前に激しく鳴くカナリアの使命を常に意識していなければならないと思うのです。
命の大切さを思えば、一時の恥なんてささいなことだと思います。
話を「寄り添うこと」「つなげること」に戻します。
フードパントリーの利用者さんとはLineでつながっています。パントリーやこども食堂の開催予定、予約の連絡が主なやり取りですが、中には休日や深夜に「助けて」とメッセージを送ってくる人もいます。
食料や日用品を届けることで解決する場合もあれば、Lineや電話でどんなに気持ちに寄り添っても解決には至らない場合もあります。
そのようなケースは行政の福祉関連の窓口か医療や法律の専門機関につなげることが私たちの役割です。
コロナ禍による緊急事態に直面した2020年以降、行政や専門家と協働する事例が増えました。
外国籍で、経済的に困窮している親子のケースでは、葛飾区の福祉管理課が我々民間の支援者と行政の関連部署との協働をコーディネートしてくれて、子どもの福祉や生活支援に取り組み、在留資格に関しては外国人在留支援センター(FRESC)の支援を受けています。
https://www.gov-online.go.jp/eng/publicity/book/hlj/html/202101/202101_09_jp.html
民間としてもレインボーリボン1団体ではなく、区内の先輩NPOや、ボランティア精神あふれる個人が献身的に動いてくれていて、いまや「友だちの友だち」といった人までが毎週1回、お母さんに日本語を無料で教えてくれています。
そのお母さんも実は、困窮の真っただ中にいた時は心を病んでいました。
いま、問題がスッキリ解決したわけではありませんが、「支援者の愛情に感謝している。母親が子どもにかける愛情と同じで、お金はなくなってしまうものだが、心に受けた愛情は永久に残ると思っている」と通訳を介して話してくれました。
この4月、高校生になった子の明るい笑顔にも会えました。
高校を卒業し、3年ぶりにこども食堂に来てくれた、もう「子ども」とはいえない青年もいました。
それぞれ複雑な家庭の事情を抱えていて、スッキリと解決できた問題は一つもありませんが、それでもこうして笑い合える「つながり」があるから人間は生きていけるんだな~と思います。
2022年度はコロナで切れかかった「つながり」を修復する年なのかもしれません。
PTA研修も、4月18日に文京区の広報研修の講師をさせていただき、今は6月の川崎市中原区のPTA研修に向けて打ち合わせを進めています。
川崎市PTA連絡協議会のホームページを見てビックリしました。「PTAは強制されるものではない。任意に加入して、子どものために楽しく活動するものだ」という前提で、各学校のPTA役員が頑張っているのです。
https://www.pta-kawasaki.org/
まさにレインボーリボンの「PTAイノベーション」の理想像を現実に見せてくれています。
こういうPTAこそ、親の孤立を防ぎ、子どもの安全と幸せな成長を支える、真に必要とされる組織だと思います。
いじめ防止は、学校の授業時間を「いじめ防止教室」に充てていただくことは引き続き難しい状況が予想されるので、今年度はエッセンスだけでも届けられるYouTube動画を作りたいと思っています。
こんな感じで新年度、動き出しました。
(代表・緒方美穂子)
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