レインボーリボン メールマガジン 第82号 1つ「できないこと」が生じると、2つ「できること」を見つけ…

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■■  レインボーリボン メールマガジン 第82号
■■   1つ「できないこと」が生じると、2つ「できること」を見つけ…
  2021/1/31
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毎月月末、レインボーリボンの活動報告と代表・緒方の思いをお届けするメールマガジンです。

東京と近隣県では1月7日、2度目の緊急事態宣言が発出され、レインボーリボンがこども食堂の会場を借りているUR団地の集会所も使用できなくなりました。
春の緊急事態の経験があるので、それほどのショックはありません。
むしろ、右往左往しながらも、1年かけて少しずつ準備してきた態勢づくりが「間に合った」という安堵感の方が大きかったです。

公共施設が一切使えなかった春の3ヶ月間は、困難を抱える家庭を1軒1軒訪ねてお弁当を届ける「春休み緊急お弁当プロジェクト」の延長でしのぎました。
この緊急プロジェクトによって、こども食堂を通して繋がってきた子育て家庭との信頼関係が、より深まった気がします。
春に続いて、夏休み、冬休みにも「かつしか子ども食堂・居場所づくりネットワーク」としてお弁当プロジェクトに取り組みました。
夏休み、冬休みは、地域のお弁当屋さんや飲食店に協力店登録していただき、各家庭に配布したネットワークのチケットを持って行けば無料でテイクアウトができるという仕組みでした。
飲食店の経営も大変な時代に、協力店の皆さんは安価での清算を快く引き受けてくれたばかりか、「あの子は大丈夫かな」と心配なことがあると連絡してくれたり、困窮家庭を少しでも助けたいという熱意を示してくれていて、まさに「地域のみんなで子どもを見守るまちづくり」って、このことじゃないかなと思いました。

レインボーリボンは、コロナ前は3カ所で、それぞれ月に1回のこども食堂を開催していましたが、区の公共施設である1カ所は3月以来、まったく使えなくなりました。
障がい者支援のNPOの施設は、こども食堂はできなくても、フードパントリー(無料の食料を渡す催し)としては貸してもらえたので、ここで6月から月に1回、フードパントリーの実績を積みました。

最後の1カ所、UR青戸第一団地の集会所は6月から使用可となりました。
この集会所で開催している「あおとこども食堂」は、団地自治会児童部との共催として、自治会のご支援があって成り立っているのですが、今年から就任された新たな自治会長さんに頼み込んで、今まで月に1回の使用だったところ、第2土曜と月末土曜、月に2回貸してもらえることになりました。
まったく使えなくなった公共施設で実施していた「パルこども食堂」を、この場所で代わりにやろうという考えで、当初は「パルこども食堂の場所は、あおとこども食堂の集会所です」と、ややこしい説明をしていました。

団地自治会にお世話になることが増え、自治会の新しい試みであるクリスマスツリー点灯式に来賓として呼んでいただくなど、ここでも、コロナ前よりも絆が深まった感触があります。
パルこども食堂の主な「お客さん」だった、NPO法人Learning for All寺子屋くらぶの子どもたちとは会えなくなってしまいましたが、毎回、あおとこども食堂のお弁当を寺子屋まで届け、やはり繋がり続けることはできています。

もちろんすべてが順調にいったのではなく、パブリックリソース財団「J-Coin基金」から助成金をいただいている「はらぺこレスキュープロジェクト」は、春の第1波のときのような学校閉鎖を前提として、給食に代わるお弁当を買い上げる内容だったため、プロジェクトの再構築を図りました。
基金事務局に相談にのってもらい、コロナ禍によってニーズが急増していた「あおとこども食堂」提供のお弁当にも資金を充てられるよう、事業計画を変更させていただきました。

こうしてジタバタジタバタと動き回っていたことが、世間では大変目立つことだったようで、寄付してくださる方、支援を申し出てくださる方が驚くほど増えました。
10月からは小さな事務所を借りることができ、ここで食料をストックしておける態勢、まさに「フードパントリー」=「食糧貯蔵庫」の体裁が整ってきました。

事務所開催が可能になったため、フードパントリーは月に2回として、月に2回のこども食堂、月に2回のフードパントリー、つまり毎週土曜日活動する態勢を作ったところで、1月の緊急事態です。
こども食堂はできなくても、毎週フードパントリーをやればいいんだ…というわけで、ほとんどショックがなかったわけです。
この1年、1つ「できないこと」が生じると、2つ「できること」を見つけてきたような気がします。

「ひとり親がコロナ感染してしまった場合など、食事に困ったときには無料のお弁当や食料を届けます」という、「はらぺこレスキュープロジェクト」もついに今月、本格始動しました。
連絡を受けてすぐに出動し、コンビニ弁当と事務所に貯蔵している食料品を持って玄関先に置き配したときは、少しドキドキして、「本当にレスキューだね」と仲間と顏を見合わせました。

今、フードパントリーの利用者が急増しています。
1月最初は15世帯47人だったのですが、新規の申し込みが次々と入り、昨日30日の利用者は34世帯94人でした。
ほとんどがシングル・マザーです。あまり深い事情はお聞きしないのですが、ふとした会話や連絡の中で、その方が背負っているものの重さに触れ、愕然とすることもあります。
「今まで誰にも頼れなかった。助けてもらえるとわかっただけでも安心した」と言ってもらえると、単に食料を渡しているというだけではなく、彼女たちの心の支えになれているのかな、と思います。

(代表・緒方美穂子)

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