レインボーリボン メールマガジン 第75号 「はらぺこレスキュー・プロジェクト」構想中です。
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■■ レインボーリボン メールマガジン 第75号
■■ 「はらぺこレスキュー・プロジェクト」構想中です。
2020/6/30
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毎月月末、レインボーリボンの活動報告と代表・緒方の思いをお届けするメールマガジンです。
今月はNPO法人として毎年1回必ず開催することが義務づけられている総会を開きました。
前年度の事業報告書を3ヶ月以内に東京都に提出しなければならないので、3月が年度末だったレインボーリボンとしてはギリギリの開催でした。この春はコロナ禍のため、同じようなNPOが多かったと思います。
レインボーリボンは2014年に「これから10年がんばろう」と宣言して法人化した団体なので、年次総会の度に「あと何年」と数えてきました。
第6回総会を開催した今年は、「あと4年」です。
10年で達成しようと掲げた目標、ミッションは「多文化共生のPTA」。
描いた未来像は、外国ルーツの子も、障がいのある子も、楽しく学校に通い、その親たちが互いの文化を尊重し合いながら子育てに力を合わせる姿です。
6年の活動の中で、PTA研修の講師として実績を積んできました。ついに昨年はレインボーリボンの仲間がお子さんが通う小学校のPTA改革に着手し、改革のスタートアップ研修を主催しました。
いじめ防止教室もこども食堂も少しずつ大きな事業となり、予算規模としては初年度20万円ちょっとだったものが、今や100万円を超える団体に成長しました。
100万円を超えたところ、ここがちょうど分岐点なのかな・・・と思っています。
今までどおり、ボランティアの枠を超えないように、自分の生活を犠牲にせず、関わる人々にも決して何かを犠牲にするような強制はせず、期間限定でミッションに向かう道のりを共に歩むのか、
それとも、ボランティアの枠に収まらず、もう一歩、責任を引き受ける団体に変化するのか。
本来は総会で喧々諤々、議論すべきことなのでしょうが、コロナ感染予防のため今回の総会は「なるべく委任状をご提出いただき、当日は会場にいらっしゃらないことをお勧めします」という、ある種、異常な案内文を出さざるを得ませんでした。
しかし、団体のあり方に悩み始めた大きな原因は、このコロナ危機です。
学校や公共施設が閉鎖されてしまった3月から5月までの未曽有の緊急事態に、私たちのような小さな団体が意外にも大きな役割を果たすことができました。
突然の危機に身動きできず、フリーズしてしまったような状態だった困窮子育て家庭に、素早く、的確な支援を届けることができたと思います。
支援に動き始めた当初は資金的な目処がまったく立っていませんでしたが、驚くほどのスピードで助成金や寄付金を集めることができたのは、たとえ小さくとも法人として積み上げてきた実績、信頼関係が生きたからだと自負しています。
今、第2波、第3波に備え、また子育て家庭が苦境に立たされた時のために、地域で助け合うスキームを構想しています。
題して「はらぺこレスキュー・プロジェクト」。お腹を空かせた子どもを救うプロジェクトです。
第1波では、以前からこども食堂で繋がっていた親子には素早く支援を届けることができましたが、資金の問題で、それ以上は支援の手を広げることはできませんでした。
突然の休校、学校給食の中止で、本当はもっと多くの子どもがお腹を空かせていたり、一人で留守番をしていたはずです。
子どもに「栄養バランスの良い、温かい食事を、タイミングよく与える」ということができずに、イライラしたり、自己嫌悪に陥っていた親は、もっともっとたくさんいたはずです。
家庭の事情は様々で、経済的困窮だけが問題なのではありません。
「はらぺこレスキュー・プロジェクト」では、経済的には問題ないけれど学校が閉鎖されたらとても困るという親には有料会員になってもらって、子どもの食生活をみんなで支える一翼を担ってもらおうと思っています。
子どもへの無料の食支援が必要な家庭は、今までレインボーリボンとの繋がりがなくても新たにプロジェクトに申し込める受付窓口を作ろうと思います。
その窓口は、子どもでもアクセスできるような工夫があるといいなと思っています。
そして、このプロジェクトの成否の鍵を握るのは、地域で暮らす「お節介おばさん」「お節介おじさん」です。具体的には民生児童委員さんをイメージしています。
地域の情報をよく知っていて、継続して困窮家庭を見守っていく支援者をネットワークできるかどうかが、このプロジェクトの肝なのです。
子ども家庭支援課など行政の専門窓口、学校とも連携を目指します。
学校給食がまったく無くなってしまう状況であれば、たくさんのお弁当屋さんや飲食店に協力を求めなければなりません。
もちろん資金は膨大にかかります。寄付のお願い、助成金申請にも何度も何度も挑戦しなくてはなりません。
実は6月だけでも3回、企業や基金など、いろいろな助成金に応募しました。
応募するからには「このような事業を実施したいので助成してください」と自信を持って申請するべきなのですが、正直、申請書類を作る度に「こんな大それた事業計画を出してしまって本当に良いのか」と迷い、悩みます。
多くの人を救うプロジェクトであれば、多くの人の協力が必要で、誰かに協力をお願いする以上、少なくともその協力者が納得できる地点までは必ず到達する責任が生じます。本当にその責任を負いきれるのか、自問自答する日々です。
でも、くよくよ考えているのはたぶん6月で終わりだと思います。
まずは民生児童委員さんへの協力要請に、早く動き出さなければなりません。
第2波が思ったよりも早く来るかもしれません。
(代表・緒方美穂子)
注:このブログのアイコン写真は6月26日に行われた「3つのネットワークの会」の様子です。
NPO総会の写真ではありません。