レインボーリボン メールマガジン 第58号「夢は広がる」

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■■  レインボーリボン メールマガジン 第58号
■■   夢は広がる

2019/1/31
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新春の清々しい空気を吸い込んだのも束の間、1月も胸が塞がれる重いニュースが相次ぎました。

21日、仙台市で昨年11月に母親が小学2年の長女と無理心中した事件について、父親が「長女へのいじめを相談したのに学校と市教育委員会が対応しなかったことが要因」として、第三者委員会を設置して小学校の対応を調べるよう市教委に求めたと報じられました。

仙台市は2014年、2016年、2017年と、中学生が自殺する事件が3件も続いています。

いったいどうなっているのか、真剣に対策に取り組んでいるのか、誰も責任をとらないのか・・・と、やり場のない怒りを一人で抱えていたとき、以前からレインボーリボンのいじめ防止活動を応援してくださっている葛飾区の議員さんに呼ばれ、区議会控室に出かけました。

そこで紹介されたのが仲野繁さんでした。

お話を聞いていて、以前、切り抜いた新聞記事をまざまざと思い出しました。

「校内に響く『いじめ反対』」。東京都足立区立辰沼小学校でいじめ防止活動を担う子どもたち「辰沼キッズレスキュー」を紹介した記事です。

子ども自身がいじめを防ぐ行動を起こしたきっかけは、児童会役員の子どもたちと、当時の仲野校長先生が話し合い、「いじめ反対の子が増えればいじめは起きにくくなる」という結論に達したからだそうです。

文部科学省 いじめ対策に係る事例集

http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/seitoshidou/1409466.htm

この56ページ、Case22が辰沼小学校の事例です。

仲野さんは現在は退職し、一般社団法人ヒューマンラブエイドを立ち上げ、退職金を注ぎ込んでいじめ防止のために全国を駆け巡っているそうです。

http://www.humanloveaid.com/home.html

元校長先生というお立場とパワフルな姿勢に最初は気圧されましたが、私のモヤモヤとした怒りを口にしてみると、仲野先生は私以上に怒りを爆発させてくださるので、ちょっと「スッキリした」と言っては語弊がありますが、怒りを共有する同志に出会えた気がしました。

すでに葛飾区の小学校に子ども主体のいじめ防止活動を導入するノウハウ指導に入られているということなので、ぜひレインボーリボンもこれから一緒に活動できればと思っています。

さて、もう一つ、胸が塞がれるニュースといえば、千葉県野田市の小学4年生の女児が自宅で死亡し、父親が傷害容疑で逮捕された事件です。

今回も児童相談所の対応の鈍さが問題となっています。亡くなった心愛(みあ)ちゃんは冬休み明けの1月7日から登校していなかったのに、学校は父親の「妻の実家がある沖縄にいる」という言葉を信じ、児相も長期欠席を把握しつつ家庭訪問をしなかったそうです。

私はどうしても、「こども食堂につながっていればなあ」と思ってしまうのです。

レインボーリボンが葛飾区でこども食堂の運営を始めてもうすぐ3年になります。

少しずつ地元に根付いてきて、今では区内の他のこども食堂ともネットワークを作り、時には学校や行政機関よりも子どもの状況に詳しく、深く関わっているようなこともあります。

地元のおばちゃんである私たちは、大勢の人を対象とした大きな事はできませんが、身近にいる子どもの身に危機が迫っている時、意外と素早く情報共有し、的確な対応ができていると自負しています。

かつしか子ども食堂・居場所づくりネットワークは連続4回の学習会の最終回を11日に開催し、ホームレス支援の「年越し派遣村」から内閣府参与まで経験された法政大学教授の湯浅誠さんをお招きしました。

湯浅さんが主宰された「こども食堂安心安全向上委員会」の調査で、昨年4月の時点でこども食堂は全国2286カ所で開催されているそうです。

行政が主導しているわけでもなく、強力なリーダーが牽引しているわけでもない、市民の自発的な活動でこのような爆発的な広がりは「生活困窮者支援を30年やってきて、初めてです」と、湯浅さんも驚いています。

混とんとした社会の状況をいつも分かりやすく整理してくれる湯浅さんですが、今回の講演でみんなが「なるほど」と頷いたのは、「黄色信号・赤信号」のお話でした。

相対的貧困が見えにくいのは、黄色信号だから。

誰にも見えやすい赤信号になってしまってからでは、「個別救済」「専門家介入」「手間暇カネ」が必要で、とても大変です。

でも、こども食堂は黄色信号の子が青信号の表情をして来られる居場所で、つながりや経験を得て自信がつく場です。

ボランティアの我々は何も特別なことはできませんが、「一緒に食卓を囲む」という経験が、黄色信号の子が赤信号にならないために必要なのです。

湯浅さんは「こども食堂が地域のインフラになる」ことを目指したいと言います。それぞれのこども食堂の自発性、多様性を大事にしながら、面として子どもがこぼれ落ちない地域を作るということです。

実は本日、1月31日、東京ボランティア・市民活動センター「ゆめ応援ファンド助成」の応募締切日でした。

かつしか子ども食堂ネットとして、3年計画を立てて助成申請をしました。

3年間の活動目標は第一に、区内の子ども食堂、子どもの居場所を倍増させること。

第二に、フード・パントリーの開設を目指します。

パントリーとは貯蔵庫という意味ですが、私が作りたいのは「子育て応援食糧貯蔵庫」のようなものです。

こども食堂への寄付食材をネットワークで受け取り、最初の1、2年は各こども食堂でつながっている困窮家庭に配送する体制を作り、3年目くらいからはネットワークのいくつかの拠点で「お茶会」などを定期的に開催し、将来的には例えば「シングルマザーの会」とか、「不登校の親の会」といったピアグループの立ち上げにつながったらいいなあという構想です。

もっと将来的には、全小学校区に1つ以上、こども食堂の数が増えて、各こども食堂が多様な子どもや親を包摂できるようになれば、ネットワークからの配送すら必要のない街になるでしょう。

夢は広がります。

「ゆめ応援ファンド」当選しますように!

(代表・緒方美穂子)

▼日本生活協同組合連合会主催、内閣府、文部科学省後援「子どもの未来アクション」の活動交流会

2月14日(木) 13:00~16:30

会場:①東京会場: TKPガーデンシティ渋谷 ホール4C

②大阪会場: TKP新大阪ビジネスセンター ホール3A

対象:子どもの未来アンバサダー、子どもの未来アクションへの参加を検討している人

申し込み定員: 東京会場100人、大阪会場70人

参加費: 無料

主催: 日本生活協同組合連合会

詳細:https://miraiaction.org/news/event-ad/post-13.html

申し込み:https://business.form-mailer.jp/fms/a54de69f97474

▼公益社団法人日本フィランソロピー協会 伴走者育成研修報告シンポジウム

子どもの『貧・困』への多様な関わり方を知る 伴走者であり続けるために今できること、明日できること

2月25日(月)18:30~21:00

参加費:無料

会場:TKP東京駅大手町カンファレンスセンター ホール22E(千代田区大手町1-8-1 KDDI大手町ビル22階)

主催:公益社団法人日本フィランソロピー協会

詳細・申込み:https://www.philanthropy.or.jp/poverty/20190225/

▼かつしかでやろう!子ども食堂・居場所作り・学習支援大作戦

3月17日(日)13:30~16:30

会場:葛飾区亀有地区センターホール(葛飾区亀有3-26-1 リリオ館7階)

参加費:無料

主催:社会福祉法人葛飾区社会福祉協議会

▼レインボーリボンへのご寄付がホームページからもできるようになりました。

支援の方法

子どもに提供する1食分の食材費300円を1口として、12口3600円の寄付(こども食堂の1食オーナー)を募っています。

口座名義:特定非営利活動法人レインボーリボン

  • 郵便振替口座:00170-7-449974
  • りそな銀行 青戸支店(店番号470)普通預金1520535

ご寄付くださった方はお名前、連絡先を下記レインボーリボン宛てにお知らせください。

「レインボーリボンのこども食堂通信」へのご芳名記載の諾否もお知らせいただけますと幸いです。

このメールマガジンは、代表の緒方はじめ、スタッフと名刺交換させていただいた方、

弊団体のイベント・講座にご参加いただいた方に毎月月末にお送りしています。

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