レインボーリボン メールマガジン 第89号 空を見上げて、中村哲先生の言葉を思い返しています。
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■■ レインボーリボン メールマガジン 第89号
■■ 空を見上げて、中村哲先生の言葉を思い返しています。
2021/8/31
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毎月月末、レインボーリボンの活動報告と代表・緒方の思いをお届けするメールマガジンです。
8月はついに1回もこども食堂は開催できず、フードパントリーのみ2回の開催となりました。
コロナ禍が始まってから1年半経った今、感染爆発、医療崩壊が現実のものとなっています。
「負けるものか」と意気込んでいた当初の緊張感を持続することは難しく、閉塞感に押しつぶされそうです。
こんな時こそ、「いじめ防止教室」で子どもたちに勧めている「ストレス発散」を自ら実践しなければ…と、音楽を聞いたり、軽い運動をしたりしています。
いじめ防止教室では「加害者理解」というテーマの中で「ストレス発散」を話題にします。
子どもたちに「いじめって何だろう」「いじめっ子ってどんな子?」と投げかけると、「暴力」「集団対1」といったキーワードが出てきますが、その一つに「ストレス」という言葉があります。
他者を傷つける加害者は、内面にストレスを抱えているということ、他者を傷つけながら自分自身も傷ついている「半分被害者」なんだということを、子どもたちはよく知っています。
でも人生にストレスはつきもので、それを乗り越えながら人は成長していくのだから、「いじめ」ではなくて前向きな方法でストレスに向き合おう…という流れで、ストレス発散法を考えるわけです。
空を見上げるだけでもいいんだよ。
コロナの影響もあり、いじめ防止教室をなかなかリアルの授業ではできないので、YouTube配信とか、何らかの方法で子どもたちに語りかけたいなあと思っています。
明日は9月1日。子どもの自殺が最も多い日です。
夏休み明け、学校に行くのが死ぬほどつらいのだったら図書館にいらっしゃい、と語りかけたSNS上のメッセージが何年か前に話題になりました。
レインボーリボンは学校にも家庭にも居場所がない子どもがいたら、「ここにおいで」と言える「いのちの居場所」を作りたいと思ってこども食堂を始めましたが、今は月に数回の開催さえままならず、歯がゆいばかりです。
今月26日、群馬県生涯学習センターのオンライン講座で講師を務めさせていただきました。
全6回の「家庭教育支援者養成講座」で、心理や福祉、教育を専門とするそうそうたる講師陣の先陣を切って、第1回の講師を務めた私の講演タイトルは「貧困、虐待、いじめ、障がい――困難を背負った子どものために地域のおじちゃん、おばちゃんができることって何だろう」でした。
生涯学習センターの方が私を「先生」と呼んでくださるのですが、私は「先生」だったことは今まで一度もなく、今回も「地域のおばちゃん」として受講者の皆さんと一緒に「子どものために自分にできること」を考えました。
講座のゴールは受講者の皆さんがそれぞれ自分の「活動計画(夢)」を作ることとしました。
「活動計画」に(夢)と付け加えたのは、専門家ではない私たちが「そんなこと本当にできるのか」と人に笑われてでも、何か一歩、踏み出していきましょう、という思いからです。
2020年に自殺した小中高生は過去最多の479人でした。10代の死因の1位が「自殺」の国は、先進国7カ国中、日本だけです。
昨年11月~12月に国立成育医療研究センター「コロナ×こども本部」が実施したアンケート調査によれば、15~30%の子どもに中等度以上のうつ症状が見られたそうです。
私たち大人がとにかく一歩でも、子どものために行動を起こさなければならない危機的状況があります。
「とにかく早くやろう。無謀な計画だと恥じることはない。」
昨年1月のメルマガでも紹介した中村哲医師の言葉を、今回の講座のまとめとさせていただきました。
いま、アフガニスタンの情勢が毎日テレビで報道されていて、たびたび中村哲先生の功績が紹介されています。
中村先生の活動を日本から支え、2019年12月に中村先生が銃撃されて亡くなった後もアフガニスタン現地の医療や農業支援事業を継続している「ペシャワール会」も、マスコミからコメントを求められることがあるそうです。会長の村上優さんが7月の会報で「報道の真偽を知る立場にありませんので、直接のコメントを申し上げてはいません」と書いています。
中村先生は「もし私の身に何かあれば、表面の出来事で判断してはならない」「私の身に何かあっても現地事業は今後20年は継続するように」と、ふだんから指示されていたそうです。
村上会長が引用している中村先生の言葉を、ここでもそのまま紹介します。
――「信頼」は一朝にして築かれるものではない。利害を超え、忍耐を重ね、裏切られても裏切り返さない誠実さこそが、人びとの心に触れる。それは、武力以上に強固な安全を提供してくれ、人々を動かすことができる。私たちにとって、平和とは理念ではなく現実の力なのだ。――
中村先生はアフガニスタンの人々の信頼を得て、人々に守られ、人々を動かして、16,500ヘクタール、65万人が生活できる緑地を出現させました。
同じ「ペシャワール会報」に現地の事務所所長ジアウル・ラフマンさんが書いています。
「中村先生を筆頭に用水路建設をしてきたカマ、シェイワ、ベスードといった地域では、住民は農地に引く灌漑用水があり、学校や診療所があり、食べ物があり、(中略)武器の代わりにシャベルやペンを手にしています。(中略)私にとって、アフガンの人々が戦争をする代わりに国造りに励む姿を見ることがこの上ない喜びです」。
群馬県のオンライン講座の中で発表していただいた「活動計画(夢)」の中に、「子どもたちに良い言葉にふれてほしい」というものがありました。
中村哲先生の言葉と行動こそ、子どもたちの命を守り、安全な社会をつくっていくための道しるべになると、私は思います。
(代表・緒方美穂子)
▼かつしか区民大学特別講演会
「ダメ!」だけでは「だめ」 ネットやゲームとの付き合い方
9月19日(日)午前10時から正午まで
YouTubeでのライブ配信
講師:関正樹氏(児童精神科医)
メールか電子申請で9月12日(日)までに申し込み
https://www.city.katsushika.lg.jp/event/1000108/1026459.html
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【ご参考】さとふる「ワンストップ特例制度」入門ガイド
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